JASSO海外留学奨学金 | 世界の大学を選べる奨学金
「独立行政法人日本学生支援機構」(JASSO)は、「2026年度海外留学支援制度(学部学位取得型)」への応募書類を、2025年9月1日(月)~10月2日(木)の期間で受け付けます(事前エントリーは9月25日13時まで)。
この奨学金の魅力は、学士が取得できる大学(学部)であれば、英語圏のみならず世界中の大学から進学先を選ぶことができること。
さらに、家庭の所得制限は2000万円と幅広い学生が応募でき、支給額が特に多いエリアなら年額約422万円(予算成立状況により変更の可能性あり)が4年間支給されるなど、手厚い内容も魅力です。
JASSO海外留学支援制度(学部学位取得型)のポイント
支援期間は原則4年間(学部入学前に留学生全員が大学入学準備コースを修了する必要がある大学へ留学する場合は、当該コースの年数も含めて支援)。
学士の学位取得を目指す留学が対象ですが、芸術の実技分野や通信・遠隔教育により提供される課程は含まれません。
学士・修士一貫課程については、各学位の対応期間が明確に区分されているケースに限り、学士の学位取得にかかる期間のみ支援するそうです。
対象となるのは、2026年度(2026年4月1日~2027年3月31日に開始される留学)に海外大学に留学予定の高校3年生に該当する人、応募締切時において卒業3年以内の人など。
極端な事例をあげると、大学1年次の授業が2027年3月31日に開始されるケースも2026年度制度の支援対象です。
2017年度は33名、18年度〜22年度は各45名、23年度は78名が採用されましたが、ここ数年はさらに採用枠が広がり、100名以上が派遣学生に選出されています。
他の奨学金と比べても支援対象枠が多いことから、奨学生志望者とっては優先して応募を検討すべき制度といえるでしょう。

主催 | 独立行政法人日本学生支援機構 |
対象 | 支援期間開始までに高校などを卒業・修了する人、応募締切時において高校などを卒業後3年以内の人 |
支援人数 | 未定(2025年度は118名の採用実績) |
エントリー期間 | 2025年9月1日(月)~9月25日(木)13時まで |
応募期間 | 2025年9月1日(月)~10月2日(木)13時(発送物は10月2日必着) |
JASSO海外留学奨学金 | 応募条件について
対象となるのは、日本国籍を有する人または日本への永住が許可されている人(特別永住者を含む)で、日本の高校等を支援期間開始までに卒業し、高校等から推薦状を取得できる人など。
また、下記のような条件もあります(詳しくは募集要項で確認を)。
- 応募時までに受験した過去2年以内に受検した語学試験のスコアが、英語が使用言語の大学に留学する場合はTOEFL iBT80点またはIELTS 6.0以上
- 高校での全履修科目の評定平均値が5段階で3.7以上に相当すること
- 国際バカロレア、アビトゥア、バカロレア、GCE Aレベルの資格を応募締切時において取得後3年以内の人(または支援期間開始までに取得する人)
- 応募締切時までに、国内外の大学および大学入学準備コースに在籍歴がないこと
- 応募時において、日本に居住していること(在籍校等が国外の場合は応募資格なし)
- 家庭の合計所得が原則2000万円以下であることなど
大学における使用言語が英語以外であれば、ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)B2レベル以上である必要があります。
月々の支給金額は、おおまかに14万円~35万円で留学先により異なります。
本奨学金では、留学先の国や地域にA~Hの区分が設定され、区分ごとに支給額が紐づけられています。下記は2025年度の実績金額です。
- 区分A(月額352,000円)…カナダ・アメリカ合衆国・英国・シンガポール・アラブ首長国連邦など
- 区分B(月額297,000円)…オーストラリア・ニュージーランド、香港など
- 区分C(月額294,000円)…オランダ・デンマーク・スウェーデン・フィンランドなど
- 区分D(月額239,000円)…マレーシア・チリ・ジャマイカなど
- 区分E(月額244,000円)…キプロス・マルタ
- 区分F(月額189,000円)…中国・大韓民国など
- 区分G(月額194,000円)…フランス・ドイツ・イタリア・スペイン・ノルウェーなど
- 区分H(月額139,000円)…台湾・アフリカ圏・その他大半の国々
さらに、支援開始に伴い、渡航支援金として1万円を別途支給。JASSO・他団体を問わず、他の奨学金等との併給も可能です。
都道府県推薦枠が新設
昨年度から、試行的に都道府県推薦枠による募集も導入されました。
2025年8月1日時点では、2026年度の募集要項は公開されていないため、気になる方は公式サイトを常時確認するようお勧めします。
(以下、昨年度実施された都道府県推薦枠の概要)
対象となるのは、当該都道府県に所在する高校等に在籍し、令和7年3月卒業見込の人(既卒者対象外、応募者の居住地ベースではない点に注意)。
各都道府県は、提出書類に基づいて独自に審査し、選出した1名をJASSO側に推薦します。対象となる留学計画や成績要件は通常応募と同じですが、提出先や提出期限は各都道府県の指定に従ってください。
応募者向けFAQによると、都道府県推薦枠と通常ルートに両方応募することも可能です。推薦枠に入れば、原則として採用される旨が説明されているため、奨学生選出のチャンスを広げるためにも同時に応募する価値はありそうです。
JASSO海外留学奨学金 | 応募方法や選考スケジュール
応募方法は、日本学生支援機構のオンラインシステムから事前登録を済ませ(9月25日13時〆)、応募書類、調査書・推薦書・語学テストの証明書・卒業見込証明書、父母や家計支持者全員分の所得証明書などを応募期間中に提出(10月2日13時〆)。
なお、在籍または卒業済みの高校等に作成を依頼する書類のなかで、調査書等と学校長からの推薦状は専用フォームから高校側が提出する必要があります。
応募書類の中には、留学を志す理由・留学計画・学位取得後の進路計画、日本社会への貢献について(日本語)、留学をテーマにした自己PR(表現法自由)などを記述する箇所もあります(都道府県推薦枠に応募する場合は、各エリアの担当者に提出期間などを確認してください)。
書面審査(1次審査)の結果は、2026年1月上旬にオンラインシステム上にて通知され、通過した人は1月24日(土)または25日(日)のいずれかに実施されるオンライン面接に進みます。
採否は、2026年3月上旬を目途に通知され、合格者は3月18日(木)までに誓約書等を提出。同月中に事前オリエンテーションも行われる予定です。