世界最大規模の英語4技能テスト「IELTS(アイエルツ)」
年間300万人以上が受験する、世界で最も受験者数の多い英語4技能試験です。TOEFL(年間約200万人)を上回る規模で、140ヵ国・1万1000以上の教育機関が採用。日本国内でも一般入試や総合型選抜(推薦入試)など、英語力の判断基準として広く利用されています。
- 年間受験者数:世界で約300万人
- 試験形式:ペーパー/コンピューター(CBT)形式
- 評価方法:1〜9の9段階(バンドスコア)
- 実施頻度:ペーパー版は月3〜4回、CBTは週に複数回実施
高校生がIELTSを受けるべき4つの理由
IELTS(アイエルツ)は、世界140ヵ国・1万1000以上の機関に認められている英語4技能試験。海外大学進学だけでなく、日本の大学入試や留学準備にも活用できる、高校生にとって最も実用的な英語資格のひとつです。
① 海外大学出願で英語力を証明できる
イギリス・オーストラリア・カナダなど主要英語圏はもちろん、アジア諸国でも広く採用されています。
② 日本の大学入試で利用できる
一般入試や総合型選抜(AO)でスコア提出が可能。特に国際系学部で採用が拡大中。
③ 受験しやすいテスト環境
コンピューター版は主要都市で週に複数回実施。日程の柔軟さが魅力です。
④ 大学進学後も活用できる
スコア有効期間は2年間。大学の留学プログラムや協定校留学にも活用できます。
IELTSとは?|世界標準の英語4技能テストを知ろう
IELTS(アイエルツ:International English Language Testing System)は、英語圏の大学や大学院への進学、または英語を使う国への就労・移住の際に利用される世界標準の英語テストです。
試験は4技能(リスニング・リーディング・ライティング・スピーキング)で構成され、「実際に使える英語力」を測ることに特化しています。
とくにライティングとスピーキングは人による採点が行われ、語彙・構文・論理・一貫性といった要素を重視します。
エデュコさん日本ではIELTSの受験数が年々増加しており、近年では国内大学でもIELTSスコアを入試や推薦で活用するケースが急増中です
スコアの仕組みとCEFR換算表 | 英検・TOEFL・CEFRとの比較
IELTSでは、リスニング・リーディング・ライティング・スピーキングの4技能をそれぞれ0.0〜9.0の9段階スコア(バンドスコア)で評価します。0.5刻みで算出され、4技能の平均値がバンドスコア(Overall Band Score)となります。
このスコアは国際的な言語能力指標である「CEFR(Common European Framework of Reference for Languages)」に準拠しており、英検やTOEFL iBTとも相互比較が可能です。
| レベル | 想定レベル感・目安 | 英検 | IELTS | TOEFL iBT |
|---|---|---|---|---|
| C2 | 最難関大学レベル | 1級に余裕で合格 | 8.5〜9.0 | 114〜120 |
| C1 | 難関大学推奨レベル | 1級 | 7.0〜8.0 | 95〜113 |
| B2 | 一般的な大学入学基準 | 準1級〜1級 | 5.5〜6.5 | 72〜94 |
| B1 | 条件付き入学(英語サポート付き) | 2級〜準1級 | 4.0〜5.0 | 42〜71 |
| A2 | 語学学校経由での留学レベル | 準2級〜2級 | – | – |
IELTSのスコアをCEFRや英検と照らして見たい人は、👉 CEFR完全ガイドも参考にしてください。
日本人の平均スコア(2024-25年公式データ)
国別平均スコアの比較では、英語を母語としない国の多くが 5.5〜6.5 の範囲に位置しています。日本の受験者もこのレンジに含まれ、英検準1級レベルの中間層に相当します。
以下のデータは、IELTS公式サイトの2024-25年のアカデミックモジュール結果です(2022年のスコアと比較しています)。
| スキル | 2022年 | 2024-25年 | 変化 |
|---|---|---|---|
| Listening | 6.00 | 5.99 | -0.01 |
| Reading | 6.10 | 5.93 | -0.17 |
| Writing | 5.70 | 5.65 | -0.05 |
| Speaking | 5.50 | 5.47 | -0.03 |
| Overall | 5.90 | 5.82 | -0.08 |
ここ数年(2022〜2025年ごろ)で、日本人のIELTSスコアは少しずつ下がり気味です。とくにスピーキングやライティングなど、自分で「発信する力」が求められるパートが弱いままなのが現状です。
IELTS・TOEFL・英検の位置づけを知ろう
英語4技能を測る試験として、日本では「英検」、海外進学では「IELTS」や「TOEFL」が主に利用されています。
どれも英語力を証明できる試験ですが、目的・出題内容・評価方法に大きな違いがあります。
| IELTS | TOEFL iBT | 英検 | |
|---|---|---|---|
| 主催 | ケンブリッジ大学英語検定機構、British Council、IDP Education | ETS(米国) | 日本英語検定協会 |
| 主な用途 | 海外大学・大学院出願、移住申請 | 海外大学・大学院出願 | 日本の学校での英語力証明 |
| 実施形式 | ペーパー/コンピューター(自宅受験可) | コンピューター(自宅受験可) | 会場受験(一次筆記+二次面接)、S-CBT |
| スピーキング | 試験官と1対1の対面式 | 録音形式(PCに回答) | 面接官との対面(S-CBTはPCに回答) |
| スコア/評価 | 1.0〜9.0(0.5刻み) | 0〜120点 | 合否判定(CSEスコア/1技能550〜850) |
| 有効期限 | 2年 | 2年 | 期限なし |
| 年間受験者数 | 約300万人 | 約72万人 | 約450万人 |
| 採用国・機関 | 140ヵ国・約11,000機関 | 160ヵ国・約13,000機関 | 主に日本国内 |
このように、IELTSとTOEFLはどちらも海外進学・留学を目的とした試験であり、英検は主に日本国内での英語力証明として位置づけられています。
とくにIELTSは「人が人を評価するスピーキング試験」が特徴で、実際のコミュニケーション能力を重視する点が、多くの高校生に選ばれる理由です。
👉 TOEFLとの違いをもっと詳しく知りたい人は、TOEFLガイドページ もチェック
出題内容と難易度の違い
IELTS(アイエルツ)
- 英語4技能(リーディング・リスニング・ライティング・スピーキング)を実践的に測る試験
- Academic(海外大学進学向け)とGeneral(就労・移住向け)の2タイプがあり、リーディングとライティングの出題内容が異なる
- スピーキングは試験官と1対1の面談形式で実施され、人とのやり取りや即興表現が評価される
- 語彙・文法の幅、論理性、一貫性が重視されるため、「使える英語力」を磨きたい高校生におすすめ
TOEFL iBT(トーフル)
- アカデミック分野に特化した出題内容で、大学講義・キャンパスディスカッション・エッセイなどを通じて、学術的な英語力を測る
- すべてパソコン上で実施され、スピーキングも録音形式
- リーディング・リスニングが特に長く、集中力と情報処理力が求められる
- アメリカ・カナダの大学進学を目指す人に広く使われている
英検
- 日本国内向けに設計された英語資格で、学校教育との親和性が高い
- 日常・社会的トピック中心の出題で、文法・語彙・読解などを段階的に確認できる
- CEFRに準拠したCSEスコアで英語力を数値化
- 海外大学では公的な英語力証明としては採用されにくい



IELTSは「実際に使える英語力」、TOEFLは「学術的な英語力」、英検は「国内での英語力評価」を測る試験。進路の目的に合わせて、自分に合った試験を選ぶことが大切です。
海外大学を目指すためのIELTSスコア目安と目標設定



海外大学進学を目指す場合、目安となるのがIELTS 6.0〜6.5(CEFR B2〜C1)です
このスコア帯は、イギリス・オーストラリア・カナダなど多くの大学で出願条件として採用されています。国内の国際系学部でも、このレベルを基準に英語力を評価するケースが増えています。
一方で、米英トップ校やアイビーリーグ、名門大学院を目指す場合は、IELTS 7.0以上が求められることが多いです。
言い換えれば、バンドスコア7.0に達していれば、出願時に英語力で不利になるケースはほとんどありません。
- 5.5〜6.0: 海外の提携校・語学留学レベル 👉 IELTS 5.5に到達するには?
- 6.0〜6.5: 一般的な海外大学の出願ライン(B2〜C1)👉 IELTS 6.5に到達するには?
- 7.0〜7.5: トップ大学・大学院進学ライン 👉 IELTS 7.0に到達するには?
- 8.0以上: 高度なアカデミック英語運用者(C1〜C2)
自分の進学先・目的・学びたい分野に合わせて、必要スコアから逆算して学習計画を立てることが、最短で結果につながるアプローチです。
高校生のためのIELTS勉強法
高校生がIELTSで成果を出すためには、過去問分析・語彙の底上げ・英語で考える習慣化の3つがカギです。



ただし「勉強法」よりも大切なのは、毎日英語に触れ続ける環境づくり
テスト勉強というより、生活の中で英語を自然に使うリズムを作ることがスコアアップへの近道です。
ステップ1:スコア目標を設定する
最初の目標はIELTS 5.5〜6.0(CEFR B2)。これは「英語で学ぶ準備ができた」状態を示すレベルで、海外大学や国際系学部の出願基準にもなります。
ステップ2:過去問で形式に慣れる
最初から全セクションを完璧に解く必要はありません。Cambridge IELTS公式問題集を使って、まずはどんな問題が出るのかを知るところからスタートしましょう。時間配分や問題パターンをつかむだけでも大きな前進です。
ステップ3:英語で考える習慣をつくる
単語や文法の暗記よりも、「英語で思考する時間」を増やすのがポイント。TEDやBBCなどで気になるテーマを聞き、短く日本語で要約する練習を日課にしてみましょう。
スピーキングも“言えそうな表現を口に出すだけ”でOK。継続するうちに、言語回路が英語モードに切り替わっていきます。
👉 独学に活かせるIETLS学習法は、AIを活用したIELTS学習を参照。
仲間と一緒に学びたい人へ



一人で続けるのが難しいIELTS学習。 同じ目標を持つ仲間と一緒なら、モチベーションを保ちながら楽しく学べます。
ENGLABは、英語学習・海外進学・探究活動に興味がある中高生のための無料オンラインコミュニティです。
- 参加費無料
- 全国どこからでもOK
- 月1回のオンライン交流会
- 現役国内・海外大学生がサポート
- IELTS・TOEFL・英検など英語資格全般に対応
IELTSの受験方法と申し込みの流れ
IELTSは全国主要都市で毎週のように実施され、オンラインで申し込みができます。希望する日程・会場・形式を選び、英語力を測るチャンスを計画的に活用しましょう。
試験タイプを選ぶ
IELTSには2種類があります。
- Academic: 海外大学・大学院進学向け(日本の受験生の多くはこちら)
- General Training: 海外移住・就労向け
受験形式は ペーパー版 または コンピューター版(CBT)。結果が早いCBTが人気です。
申し込み手順
- IDP・British Council・英検協会の公式サイトにアクセス
- アカウントを作成し、試験タイプ・会場・日程を選択
- 受験料(約27,500円)をオンライン決済
- パスポートを持って試験当日へ
結果とスコア提出
コンピューター版は約1週間後、ペーパー版は約13日後に結果が出ます。
スコアレポート(Test Report Form)は紙・デジタル両方で発行でき、大学へ直接送付も可能です。



IELTSは「点を取るための試験」ではなく、英語で学ぶ準備を整えるためのテスト。目標スコアを決めて、受験をきっかけに英語学習のリズムを作りましょう
先輩のリアル|IELTSで世界に挑んだ高校生たち
ここでは、実際にIELTSを受験して海外進学を実現した高校生のストーリーを紹介しています。



先輩たちの共通点は「自分の考えを英語で伝える練習を続けたこと」。点数よりも学びの探究プロセスが成果につながっています
【5.5達成】くらさん|英検準2級→IELTS5.5(3年間)
普通の高校生が地道に継続。カナダ大学進学へ。→ 詳しい体験記を読む
【6.0達成】I.Uさん|英検準1級→IELTS6.0(8ヵ月)
語学留学で実用英語力を磨き、オーストラリアへ。→ 詳しい体験記を読む
【6.0達成】wingさん|英検2級→IELTS6.0(1年間)
仲間と励まし合い、ニュージーランド大学へ。→ 詳しい体験記を読む
【7.0達成】にんじゃさん|英検3級→IELTS7.0(3年間)
劇的な成長を遂げ、オランダ・トップ大学へ。→ 詳しい体験記を読む











