親子留学 | 留学期間と費用の内訳
コロナ禍が明け、これまで海外に出られなかった3年間を取り戻すかのように、親子留学に対するニーズが大きく高まっています。
そこで、この記事ではコロナ禍が明けた2023年における最新事情も盛り込んで、親子留学についてまとめていこうと思います。
親子留学のタイプ
親子留学には、
- 親子で学ぶ滞在
- 子どもの留学をサポートする形で保護者が同伴する滞在
の2タイプがあります。
期間により異なりますが、短期滞在では親子で学ぶケースが多く、長期に及ぶほど子どもは学校に通い、親は子どもの学校生活をサポートしながら自身はリモートワークで仕事をするといった、日本の生活に近い形態が増える傾向にあります。
親子留学の期間
親子留学では、最短1週間~数年間の長期滞在まで、さまざまなスタイルがあります。
短期留学(1週間~1ヵ月程度)
まず、1週間~1ヵ月程度の短期留学では、リゾート地としての魅力も備えたハワイやフィリピン・セブ島を選ぶファミリーも多くいます。
1年間程度の留学
1年間程度の親子留学では、米英よりもコストを抑えやすいカナダやオーストラリアも有力候補です。
数年をかけての長期留学
現地スクールの卒業も想定し、数年かけて親子留学のスケジュールを組む場合は、生活費の安さはもちろん、インフラの整備状況も良好なマレーシアは魅力的な選択肢となっています。
留学にかかるおもな費用
親子留学にかかる費用は、
- 学費(授業料+教材費+入学金)
- 滞在費(家賃+食費+通信費)
- 渡航費
- 保険料
- ビザ関連申請費(該当ケースのみ)
- その他交際費や娯楽費
といった項目にわけられます。
親は学校に通うことなく、子どもの保護者として滞在するだけならば、学費はひとりぶんとして計算することができますね。
親子で学ぶケースでは、所定の授業数を親子間でシェアするしくみを採用しているプランもあるため、親と子のどちらがメインで授業に参加するかなどは事情に合わせて調整できます。
親子留学 | 滞在に必要なビザについて
留学先によって、渡航者はビザ不要または観光ビザで滞在できる期間が設定されており、とくに短期留学ならば、ビザ申請費用が必要のないケースが多いです。
親子留学で注目の国を比較すると、日本のパスポートの場合、ビザの扱いについて以下のような違いが見られます。
ハワイ
週18時間未満の授業時間であれば、入国から90日以内の滞在はビザ不要となり、代わりに電子渡航認証「ESTA」の申請(申請料14ドル)が必要。
逆に、授業時間が週18時間以上の場合は、留学期間を問わず学生ビザ(手数料160ドル)を取得しなければなりません。
フィリピン
30日以内の観光や語学留学はビザ不要。
ただし、留学するには「Special Study Permit(SSP)」(特別就学許可証)の申請手続き(1万5000円~1万7000円)が必須となります。
カナダ
ビザ不要で最大6ヵ月間は滞在可能。ただし、電子渡航認証「eTA」の申請(7カナダドル)は必須。
オーストラリア
観光・留学を問わず、電子ビザ「ETA(ETAS) 」を取得(オンライン申請手数料20豪ドル)することで、最大3ヵ月間は滞在可能。
マレーシア
入国から90日以内は、日本国パスポートがあればビザ不要で滞在可能です。
親子留学 | エリア別にかかる費用比較
親子留学の際に必要なエリア別費用を、主要な留学期間ごとに比較していきましょう。
ここでは、親子で学校に通うケースを想定し、学費は原則として2名分が発生するとして扱います。
ハワイ親子留学(1週間1名につき35万円~50万円)
- 学費…10万円程度
- 生活費…15万円~25万円
- 渡航費…10万円~15万円
- 保険料+ESTA申請料…7000円~9000円
フィリピン親子留学(1週間1名につき23万円~40万円)
- 学費(滞在費・1日3食含む)…12万円~20万円
- 生活費…1万円~3万円
- 渡航費…6万円~15万円
- 保険料+SSP申請料…1万8000円~2万1000円
フィリピンの語学学校は、プログラム費用に滞在費や食費が含まれているため、別途生活費として必要な金額は少なくて済みます。
セブ島とくらべ、フィリピンの首都マニラ周辺は物価面(生活費)が高い傾向にありますが、基本的に学校内で過ごすスケジュールなら総費用はあまり変わらないでしょう。
カナダ親子留学(1年間1名につき380万円~590万円)
- 学費…200万~300万円
- 生活費…130万円~230万円
- 渡航費…20万円~30万円
- 保険料+ビザ申請料…29万円~32万円
カナダでは、親が学生ビザを取得して一定の条件を満たして就学する場合、子どもが無料で公立校に通える制度が採用されています。
都市によって適用条件が異なりますが、とくにモントリオールとハリファックスは、親が語学学校に通うケースもその子どもは学費免除の対象となります
大幅に学費をカットできる可能性があるため、カナダで親子留学を計画している場合はこの2都市は要注目です。
オーストラリア親子留学(1年間1名につき350万円~550万円)
- 学費…120万円~220万円
- 生活費…200万円~270万円
- 渡航費…12万円~22万円
- 保険料+ビザ申請料…35万円~38万円
オーストラリアの親子留学では、親が学生ビザ、子どもを扶養家族として手続きするか、子どもが学生ビザ、親はガーディアン(保護者)ビザを取得して滞在することもできます。
トータルの留学費用では、カナダとほぼ同水準のオーストラリアですが、ビザの組み合わせによって多様な親子留学を実現できるのはメリットです。
マレーシア親子留学(2年間1名につき440万円~780万円)
- 学費…180万円~400万円
- 生活費…200万円~300万円
- 渡航費…7万円~15万円
- 保険料+ビザ申請料…53万円~66万円
マレーシアには、英国式・米国式・国際バカロレアなど明確なカリキュラムを採用するインターナショナルスクールが揃っています。
比較的授業料が安い学校を選べば、カナダやオーストラリアにおける親子留学の約5~6割のコストに抑えることも可能です。
また、長期滞在ビザ(MM2H)の審査に通れば、配偶者や扶養家族を含めて10年間自由に出入国が認められますが、2021年を境に収入基準などが厳しい条件に変更されたので注意しましょう。
親子留学 | 安心して滞在するための海外保険の考え方
海外生活中の病気やトラブルに備えた保険を選ぶ際に、海外旅行保険と海外留学保険の違いを把握しておくことは重要です。
海外留学保険
まず、「旅行」と「留学」の違いから、基本的に海外留学保険の方がより長期間の滞在に適応しており、3ヵ月以上の留学なら海外旅行保険では補償内容が十分とは言えません。
海外留学保険らしい特約としては、生活用動産損害の補償が充実している点があげられます。
たとえば、居住施設(現地のアパートやシェアハウスなど)に保管中の持ち物が盗難されても留学保険なら補償対象ですが、海外旅行保険が規定する携行品損害補償では適用対象外として扱われます(一時的滞在とみなされれば携行品に含まれるケースもあり)。
このように、せっかく保険料を支払う以上は、実際の留学生活で起こりうる状況に対処できる保険プランがおすすめです。
留学保険では、とくにAIG損保の32日以上のプランは生活用動産を含めた補償を完備し、6ヵ月以上の保険期間からは歯科治療費を対象に含めることもできます。
また、AIGはキャッシュレス診療や日本語による24時間電話サポート、主要国なら現地での手続きにも対応しているのでトータル的な利便性にも優れています。
海外旅行保険と海外留学保険のコスト面の違いを見ると、補償対象範囲が広い分、留学保険のほうが保険料相場は割高です。
ただし、海外旅行保険を申し込む場合も、保険金額の設定次第では留学保険を上回る保険料が算出されます。
クレジットカード付帯保険
また、クレジットカード付帯保険の場合は、実質的に保険料なしで利用できるため1度は検討したい選択肢です。
ただし、あくまで海外旅行保険が付帯されていることから、3ヵ月以上長期留学する場合は、付帯保険ではなく留学保険を前向きに検討するほうがいいでしょう。
付帯保険は、一般的に補償内容は控えめにとどまる傾向にあり、もし携行品の適用条件が物足りないようであれば、別途で旅行保険や留学保険を申し込む方が無難です。
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親子留学 | 夏休みの留学先はどこにすべき?
どうしても繁忙期とは重なるものの、多くの家庭にとって親子留学のスケジュールを組みやすいのは夏休み中でしょう。
夏休みにおすすめの留学先
この記事で紹介したハワイ、セブ島・フィリピン、カナダ、オーストラリア、マレーシアについても、親子で夏休み留学できる渡航先として各エージェントがおすすめプランを提供しています。
なかでも、1~2週間プログラム数の多さ、アレンジしやすさなどから、有望なのはハワイ、セブ島、マレーシアの3ヵ所のエリアです。
安心して留学できるハワイ
親子留学ではハワイは以前から定番のエリアで、日本人の多さや居心地の良さなどを含め、海外に慣れない親子でも安心して過ごせる環境が整っています。
コストをカットできるフィリピン・マレーシア
日本と時差が少ないセブ島とマレーシアは、ともに滞在費用の安さから、欧米圏やオセアニアと比べると留学コストをかなり節約することができます。
とくに、夏休み期間中は航空券相場などが値上がりするタイミングのため、繁忙期にリーズナブルに留学するには最適な選択肢です。
セブ島は、親子でも過ごしやすいリゾート地の環境が広がり、語学学校のバリエーションはフィリピン国内でもとくに充実しています。
マレーシアは、欧米系資本やIB採用校など教育システムが整った学校が目立ち、多民族国家であることから若い時期に国際感覚を自然と育むうえでも適した環境です。