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海外進学 Picks 2/28号|留学先はビッグ4から14の多極化へ・中東AI投資急拡大・英国AI専攻履修者が19%増

「海外進学ラボ Weekly Picks」は、グローバル進学に関心のある中高生・保護者向けに、世界の教育ニュースを厳選してお届けしています。進路のヒントが“5分”で見つかる週刊特集です。

学ぶ場所も、学びを支える環境も。
いま、進路をめぐる“前提”そのものが
少しずつ形を変え始めています
Picks まとめ

英国ではAI専攻の履修者が前年比19%増と急拡大し、その半数以上を留学生が占めています。一方で中東諸国は国家戦略としてAI研究に巨額投資を続け、教育と産業を直結させる動きを加速。

留学市場では「米英豪加」一極集中からビッグ14へと再編が進み、進学先の選択肢は大きく広がっています。さらに米国では留学資金削減が制度の安定性を問い直し、校内スマホ規制を巡る州差は教育思想の違いを浮き彫りに。

今週は、テクノロジー、国家戦略、制度設計という3つの軸から、世界の教育動向を読み解きます。

グローバルエデュは、親子で“未来にひらく進路選択”をつくる教育メディアです。2026年は「海外進学ラボ」を核に、ENGLABコミュニティ、進路相談をさらに拡充。よりよき進学をめざすファミリーが、学びながら・自分らしい道を選べる環境づくりを進めていきます。

Contents

国際教育市場ビッグ4から14の多極化へ、アジア圏にとって有利な環境シフト

長年、米・英・豪・加が留学トップシェア(ビッグ4)を維持してきた世界の高等教育市場ですが、アジア圏の台頭により専門家の間では主要留学先を「ビッグ14」として捉える機会が増加しています。

実際は、ビッグ14構成国に厳密な定義があるわけではありません。重要なのは、既存のビッグ4に加えて、10ヵ国程度が有力な留学先とみなされるほど、同市場の多極化および再均衡化が進行中ということ。

ただ、一般的傾向として、ドイツ、フランス、アイルランド、ニュージーランド、中国、マレーシア、香港、UAEなどが新概念に含まれることが多いようです。

British CouncilアナリストのWong氏は、「東アジアにとって明らかに有利な条件が揃っている」と現状を評価。上昇中の大学ランキングや手頃な授業料が魅力的な誘因となり、アジア圏内の学生相互移動が急増しているようです。

副編集長 城

各地域の評価が拮抗しつつあるからこそ、社会経済状況や制度面の変化も留学需要に影響しやすくなるでしょう

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中東諸国がAI研究に巨額投資継続、高等教育強化と頭脳流出の抑止効果も期待

UAEやサウジアラビアに代表される中東諸国は、人口知能分野に積極投資することで、石油依存から脱却し、優秀な頭脳の多くをローカル圏に定着させる環境整備に注力しています。

中東政策の専門家Christopher Davidson氏は、西洋の高等教育業界はAIテクノロジーを遠ざけ、一定の制限を設けようとする「技術革新への否定的な」風潮が根強いと指摘。その点、中東諸国では、教員・生徒を問わずAIを幅広く活用し、積極的にカリキュラムに取り入れる動きが目立つと分析しています。

こうしたAIアレルギーとほぼ無縁な環境は、西洋圏との差別化を図り、世界的なAI研究拠点を目指す中東圏にとって長期的なアドバンテージを生み出しそうです。

副編集長 城

Hamad Bin Khalifa University(HBKU)のHouseh教授は「AI分野で米国や中国との差は大きいが、中東諸国がカナダや欧州の研究成果を上回るのは十分に現実的」と見据えています

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留学生による需要急増中のAI学位、専門家は成長速度ゆえのリスクと対応策を提言

高等教育統計局(HESA)がまとめたデータによると、2024~25年度には10825人の学生が英国にてAIの学部または大学院プログラムを履修しており、前年比では約19%増加したことがわかりました。

この結果は、履修者数増加率では170の専攻科目中3位に相当。AI学問の需要増加傾向が示されたほか、AI履修者の56%を留学生が占めているのも興味深い現象です(標準的な留学生比率は4分の1以下)。

ロンドン大学Royal Hollowayのデジタルマーケティング上級講師は、目まぐるしく変化するAI分野の特性を踏まえ「学生がリカバリー力、適応力、自己学習能力を高められるよう注力すべき」と指摘。さらに、雇用主や社会情勢のニーズを反映して、より柔軟かつ定期的にプログラムの見直しを行うよう促しています。

副編集長 城

急ピッチで進歩する学術研究をカバーするだけでなく、将来のAI人材としては「絶え間ない変化を前提とした」対応力と自立心が問われそうです

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資金削減に揺れる米国留学セクター、伝統的交換留学プログラムが影響を回避

トランプ政権下、文化交流プログラムに対する総額1億ドルの資金削減にも関わらず、伝統的な交換留学プログラム「ロータリー青少年交換」はその影響外にあり、安定した国際交流活動を継続しているようです。

アメリカ外国研究所(AIFS)は、22のプログラムが対象となった資金カットは、約1万人の学生に影響が及んだと推定。

一方、会員数120万名、1920年代から交換留学を支援する国際ロータリーは、従来から政府資金に頼らず、寄付やボランティア活動を基盤に留学プログラムを運営してきました。2023~24年度においては、9400の家族が交換留学生の受け入れ先として無償参加したそうです。財源の独立性と奉仕精神に支えられた非営利団体が、資金凍結危機を回避し、世界中の若者に留学機会をオファーしている実情は心強いですね。

副編集長 城

日本人初の国連難民高等弁務官を務めた緒方貞子さんも、ロータリー奨学生として同団体の支援を得ながらの留学経験があります

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米国全土で校内スマホ制限の州法を評価する最新調査、隔離保管の義務化は2州のみ

米国の社会活動団体が発案した共同プロジェクト「Phone-Free School States Report Card」によると、学校内スマホ使用を禁止する法律の整備状況は各州でばらつきが大きいことが明らかになりました。

ノースダコタ州とロードアイランド州は、校内ではデバイスを人の手の届かない場所に終日保管するよう州法で義務付けており、同レポートにおいて最高評価のAを獲得。その一方、6つの州が、議会でスマホ使用を制限する法律を否決したか、法案自体が審議されていないケースに含まれています。

さらに、最多の18州が「校内のスマホ使用を禁じながらも手の届く場所に保管可能」というB評価にとどまることから、現状では生徒からスマホを完全隔離するハードルの高さが示唆されました。

副編集長 城

各州の評価を記録した全米マップを見ると、隣接する州が同一評価を得る傾向があり、スマホ制限の州法制定において近隣地域の動向が一定の影響力を持つ可能性もありそうです

出典リンク

Weekly Picks では、教育政策、評価制度、AI、留学生市場など、世界の学びをめぐる変化を「ニュース」ではなく、教育の前提条件として整理しています。

こうした知見を、学校運営や教育設計、意思決定にどのように活かせるのかを考えたい方は、こちらのページもご覧ください。

世界の教育と日本をつなぐ
“確かな窓”でありたい
Weekly Picks 執筆・監修/ 城 圭一郎

教育メディア「グローバルエデュ」副編集長。国際教育・進路支援を中心に、世界の教育システムや最新動向を日本の家庭にわかりやすく届ける記事を多数執筆・編集。これまでに手がけた記事は500本超。正確な情報と多角的な視点で、進路選択と学びの可能性を広げるメディアづくりに取り組んでいる。

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