大学進学や奨学金申請では、英語資格の重要性がますます高まっています。英検・IELTS・TOEFLのどれに取り組むべきか迷う人も多いはず。
それぞれの試験がどんな進路に強いのか、どれが最適な選択になるのかは、「どのような未来を思い描いているか」によって大きく変わります。
エデュコさんここでは、主要3資格の特徴を比較しながら、国内進学・海外進学・進路未定 の3タイプ別におすすめの選び方を紹介します
3大英語資格の特徴
英検
英検は、3つの英語資格の中でも日本の大学入試と相性がすごくいいテストです。総合型選抜(AO)や一般入試で、英検のスコアを提出できることが多く、特に総合型選抜では英検が出願条件になっている大学もたくさんあります。
英検準1級まで取れていれば、多くの方式で条件をクリアできます。
一般入試では必須ではないこともありますが、持っている級によって得点に加算してくれる大学が多いのが特徴です。
奨学金の面では、日本の高校や大学に在籍しているときに利用できる、短期~1年以内の海外留学支援制度で英検を使うことができます。



ただし、海外の大学に出願するときや、海外の学校で奨学金を申し込む場合は、英検ではなく IELTS や TOEFL のスコアが必要になります
IELTS
IELTSは、海外進学にも奨学金申請にも幅広く使える、すごく汎用性の高い英語資格です。世界中の教育機関で受け入れられていて、地域によって使えない…みたいな偏りもほとんどありません。
日本の大学でも、英語で学ぶ学位プログラムに出願するときは、ほぼ例外なくIELTSで要件を満たせます。
奨学金についても、
- 海外で学位を取るための長期留学
- 短期留学
- 交換留学
…など、あらゆるタイプの奨学金申請で使えるのが強みです。



実際、IELTS 6.5(CEFR B2)以上が取れてくると、海外・国内ともに進路の選択肢が一気に広がります
TOEFL
TOEFLは、IELTSと並んで世界中でよく使われている英語資格試験です。海外大学への出願や、いろいろな種類の奨学金申請にも対応しています。
ただし、TOEFLはとくにアメリカでの採用率が高い傾向があり、他の地域より少し偏りがあります。そのため、どこでも使える“汎用性”で見るとIELTSのほうが有利ですが、「アメリカ進学を最優先にしたい!」という人は、TOEFLを持っておくと選択肢が広がる可能性があります。



また、TOEFL iBTは2026年1月から試験形式が大きく変わる予定なのでここも重要ポイント
過去にTOEFLを受けたことがある人でも、1月以降は一度、問題の形式や自分との相性を改めてチェックした方が安全です。
投資効果を整理
| 目的・使用シーン | 費用 | 成果・目安スコア | |
|---|---|---|---|
| 英検 | 日本国内進学の英語力証明 国内学生向け海外留学奨学金の英語力証明 | 【受験料】 準2級:8,500円 2級:9,100円 準1級:10,500円 1級:12,500円 【公式教材】 19,800円~29,700円(3ヵ月分) | 英検2級:加点対象や奨学金応募要件となる目安 英検準1級以上:ほぼ全ての国内進学や奨学金選考が有利に |
| IELTS | 海外進学の英語力証明 国内進学(主に英語学位プログラム)の英語力証明 奨学金申請の英語力証明 | 【受験料】 27,500円 【公式教材】 無料オンライン学習リソース(4技能模擬テスト40回分+解説動画) Strong Essay Writing: 26,700円 | IELTS6.5:海外進学のために達成したい一般的基準 IELTS7.0:アイビーリーグなどトップ大学進学の目安 |
| TOEFL iBT | 海外進学(特に北米圏)の英語力証明 国内進学(主に英語学位プログラム)の英語力証明 奨学金申請の英語力証明 | 【受験料】195ドル(29,000円~30,000円) 【公式教材】オンラインテスト無料体験版(40分) eラーニング教材:16,500円 問題集・オンライン模試:各5,500円 | TOEFL iBT80以上:海外進学のために達成したい一般的基準 TOEFL iBT95~105:アイビーリーグなどトップ大学進学の目安 |
ざっくり言うと、国内進学や、日本の高校・大学向けの奨学金に強いのが英検。そして、海外進学に幅広く使えるのがIELTSとTOEFL。
この2タイプに分けて考えることができます。
英検は級が上がるほど受験料も高くなりますが、それでもIELTSやTOEFLの受験料の半額以下で収まります。コスパの面ではかなり優しめ。
一方、IELTSとTOEFLは受験料こそ高いものの、無料の公式教材が充実していて、どんな問題が出るか・自分に合うかを試す「お試し練習」として使うのにぴったりです。
進路タイプ別おすすめ
国内志向
国内進学を中心に考えているなら、英検はかなり使いやすい英語資格です。日本の大学では、ほとんどの総合型選抜で英語力の証明として使えますし、一部の一般入試では英検の級によって加点されるケースもあります。
また、英検の問題形式は日本の英語授業と相性が良いので、学校で勉強している英語の延長で取り組みやすいのもポイントです。



ただし、海外進学ではほとんど使えないという弱点も。「将来、海外もアリかも…」という可能性が10〜20%でもあるなら、英検だけに絞るのはちょっとリスキーです
海外志向
海外進学を考えているなら、まず一番にお勧めできる英語資格はIELTSです。日本では最近知名度が上がってきた試験ですが、世界ではすでにほとんどの教育機関が採用しているトップクラスの英語試験です。
そのため、IELTSで6.5〜7.0を取れるというのは、「世界中どこでも大学出願が狙えるレベル」というイメージに近いです。国や地域を問わない強さが魅力。
ただし、
- アメリカ留学一本で行く!
- アメリカの大学の選択肢を最大限広げたい!
…という人は、IELTSよりもTOEFLのほうが使える場面が多いこともあります。
進路を迷い中
将来の進路が「海外か国内か、まだ決めきれていない…」という場合は、IELTSを優先して勉強するのがおすすめです。理由はシンプルで、英検は海外大学の出願で英語力証明として使えないから。
TOEFLもIELTSと使い方がだいたい似ていますが、もしアメリカ以外の国や地域も進学先の候補にしたいなら、より多くの国で受け入れられているIELTSのほうが安心です。
さらに、IELTSとTOEFLは
- 国内大学の総合型選抜
- 一般入試での加点制度
このどちらでも、ほぼ100%英語力証明として提出できるというメリットがあります。
まとめ:英語資格選びも「教育経済戦略」の一部
ここまで見てきたように、どの英語資格を選ぶかは、将来の進路選びとすごく深く関わっています。
そして、英語資格をしっかり取れると、奨学金の選択肢が一気に広がることも大きなポイント。家計の視点で見ても、ただの「出費」ではなく、投資以上のリターンが返ってくる可能性がある戦略と言えます。
時間もお金も限られているからこそ、自分の将来に合った英語資格を選ぶ=「投資設計」が大事。
なるべく早い段階から、将来必要となる英語試験の対策を進めておくことで、あとで進路の選択肢がぐっと広がります。






