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【進路とエイゴ #07】交換留学の“見えない壁”──なぜIELTS6.0・TOEFL80点が必要なのか?

海外大学に進学しない場合でも、交換留学プログラムなどを利用して、数ヵ月から1年ほどの海外留学を経験したいと考える人は少なくありません。

ただし、交換留学は誰もが無条件で参加できるわけではなく、通常は英語力や学業成績などの要件が定められており、さらに定員がある以上、他の希望者との選考を通過する必要があります。

そのため、進学した大学に魅力的な交換留学プログラムが用意されていても、主に英語力不足が理由で留学を断念する学生が少なくないのが実情です。

まさに、後述する一定の英語基準が、交換留学の「見えない壁」として、多くの大学生の海外体験を阻んでいると言えるでしょう。

そこで本記事では、

  • 交換留学を目指すには、どの程度の英語力が必要なのか
  • その目標に向けて、どのような準備や対策が有効なのか

について整理し、結果的に教育ROI(投資効果)を高めるための考え方をご紹介します。

グローバルエデュは、親子で“未来にひらく進路選択”をつくる教育メディアです。2026年は「海外進学ラボ」を核に、ENGLABコミュニティ、進路相談をさらに拡充。よりよき進学をめざすファミリーが、学びながら・自分らしい道を選べる環境づくりを進めていきます。

Contents

交換留学の英語条件

交換留学プログラムの英語スコア要件は、大学ごとに設定されており、派遣先によって基準が異なるケースも多く見られます。

交換留学の英語基準(実例)

法政大学

  • IELTS:交換留学先の7割以上が IELTS6.0、その他3割弱が IELTS6.5
  • TOEFL iBT:留学先の約9割が TOEFL iBT71~80 の範囲

九州大学

  • IELTS:交換留学先の7割弱が IELTS6.0~6.5、3割程度が 5.0~5.5
  • TOEFL iBT:留学先の約4割が 79または80点、約25%が 65点以上

立命館アジア太平洋大学(APU)

  • IELTS:留学先によって 5.5 または 6.0 が大半で、一部 5.0 もあり
  • TOEFL iBT:72点以上 が最多で、大半は 66~79点 の範囲

このように一定のばらつきはあるものの、交換留学に際してある程度の選択肢を確保するには、IELTS6.0以上、TOEFL iBT80以上が現実的な目標ラインと言えるでしょう。

この水準は、ヨーロッパ言語共通参照枠(CEFR)では B2(中上級レベルの自立した言語使用者) に相当します。
一方で、高校卒業程度の英語力とされる英検2級は、CEFRでは A2~B1 にとどまります。

つまり、B1の1段階上であるB2レベルを証明するには、日本の高校英語レベルだけでは十分とは言えないということになります。

したがって、交換留学のチャンスを掴むための英語力(CEFR:B2レベル)の目安としては、英検でいえばCSEスコア2300以上(英検準1級合格レベル)が一つの基準になると考えられます。

留学を逃してしまう人の典型例

ここでは、交換留学のチャンスを逃してしまう大学生によく見られるケースをいくつか紹介します。

事例1:英語スコアやGPAの不足

交換留学プログラムでは、応募要件として英語スコアやGPA(大学の学業成績)が指定されていることが多く、これらの要件をクリアできずに交換留学を諦める学生も少なくありません。

また、スコア要件は留学先ごとに異なるため、希望する大学の基準にだけ届かないというケースもよく見られます。

先述の通り、高校英語レベルでは標準的な交換留学要件(CEFR:B2)に届かないため、大学合格で満足せず、入学後も継続して英語力の向上に取り組む必要があります。

加えて、大学入学後に学業への取り組みが甘くなると、GPAが下がってしまうリスクもあるため、1年次から安定して良い成績を保つことも重要です。

事例2:応募書類の不備・準備期間の不足

交換留学の応募には、推薦状など第三者に作成を依頼する書類も含め、複数の書類を準備する必要があります。

中でも志望理由書や留学計画書は、他の候補者との差別化を図るうえでも、ある程度の時間をかけて説得力のある内容に仕上げることが求められます。

そのため、締切直前まで準備を先延ばしにしていると、

  • 書類が期限までに揃わない
  • 書式や内容のミスに気づかないまま提出してしまう

といったリスクも高まります。できるだけ時間に余裕をもって準備を始めることが大切です。

事例3:他の候補者との比較で選考から外れる

他の候補者も同じ留学枠に応募している場合、英語基準を満たしただけでは、必ずしも交換留学が確約されるわけではありません。

たとえば、英語要件が「IELTS5.5以上」となっている留学先であっても、他の候補者がIELTS6.0や6.5を取得していれば、5.5では不利になる可能性が高くなります。

その意味でも、応募要項の最低基準にとどまらず、IELTS6.0 / TOEFL iBT80を目標に準備しておくことが、現実的かつ安全な戦略だと言えるでしょう。

また、英語力だけでなく、志望動機や留学の目的も重要な評価対象になるため、応募書類についても時間をかけて丁寧に仕上げることが推奨されます。

高校時代から準備するメリット

このように、交換留学の目安となる「IELTS6.0」「TOEFL iBT80」は、高校英語修了レベル(英検2級程度)とは大きな開きがあります。

そのため、大学1年生から本格的に対策を始める場合、時間的にも心理的にも余裕があるとは言いにくいのが現実です。

もちろん英語学習に多くの時間を割ける場合は可能性もありますが、大学の学業やその他の活動と並行することを考えると、決して楽な道ではありません。

こうした点を踏まえると、CEFR:B2レベルの英語力は、高校時代から準備しておく方が明らかに有利だと言えます。

高校時代からコツコツと英語学習に取り組んでいれば、大学入学後に慌てて準備を始める必要はなく、時間的・心理的な余裕を持って学生生活を送ることができます。

また、より高い英語力を身につけた状態で大学受験に臨めば、英語という主要科目で高得点を狙える可能性も高まりますし、入試方式によってはIELTSやTOEFLのスコアをそのまま活用できるケースもあります。

さらにコスト面でも、高校時代からの対策は効率的です。

IELTS・TOEFL対策はそのまま大学受験の英語対策にもなり、高校生のうちにB2レベルに近づいていれば、大学生になってから多くの時間と費用をかけて準備する必要がなくなります。

言い換えれば、高校時代から始めるB2レベル英語対策は、「大学受験」と「交換留学選考」という2つの重要なタイミングに同時に備える戦略だと言えるでしょう。

まとめ|教育投資の「回収」は大学で起きる

このように、高校生のうちから英語にしっかり取り組むことは、高校の学習や大学受験にも役立ちますが、本当の意味での投資の“回収”は、大学在学中の交換留学という形で現れると考えることができます。

高校時代に積み上げた英語力が、比較的少ない費用負担で海外に留学できるチャンスを引き寄せる。

そう考えると、英語への取り組みは、非常にリターンの大きい教育投資だと言えるのではないでしょうか。

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