「トビタテ!留学JAPAN」の計画を練ろう
5年間で約4000名の高校生を派遣留学生として選抜・支援する計画を定めている官民協働の奨学金制度「トビタテ!留学JAPAN新・日本代表プログラム」。
志望者の英語力は不問、留学先の国や地域を問わず応募できることから、高校での海外留学に関心があるみなさんには、ぜひ前向きに検討してほしい留学支援プログラムです。
本制度に採用されるには、4つの募集コースいずれかの趣旨に当てはまる「留学計画」を提出し、書面および面接審査に合格する必要があります。
2025年度「新・日本代表プログラム」では700名を、2025年1月23日(木)まで募集します(新高1は第二日程:4月21日締切も応募可能)。
募集コース | 支援予定人数 | 支援対象となる留学計画の概要 |
マイ好奇心探究コース | 250名 | 「知りたい」、「明らかにしたい」という自らの興味·関心に基づいた問いを設定し、「未知を既知」にすることや「疑問を解明」することを目的に行う探究活動が含まれた留学計画を支援 |
社会課題探究コース | 150名 | 世界・日本・地域が抱える社会課題を自分ごととして考えた問いを設定し、課題解決や活性化、SDGs、社会貢献に寄与することを目的に行う探究活動が含まれた留学計画を支援 |
STEAM探究コース | 160名 | STEAM(科学・技術・工学・芸術・数学)領域における問いを設定した探究活動を含む留学計画や、問いに対してAIやIoT、理科の見方・考え方や数学的な見方・考え方を活用しながら行う探究活動が含まれた留学計画を支援 |
スポーツ・芸術探究コース | 140名 | 実技経験や実績の有無にかかわらず、スポーツ・芸術分野における問いを設定し、当該分野の更なる発展に寄与することを目的に行う探究活動が含まれた留学計画を支援 |
留学期間と支給金額
留学期間は、14日~365日までが認められ、月ごとに奨学金が支給されるロング(125日以上)と、留学終了後にまとめて支給されるロング以外(124日以下)に区分されています。
支給金額には、奨学金と留学準備金の2項目があり、留学先の国・地域に応じて以下のように定められています。
- 奨学金月額…16万円(北米・欧州・シンガポール・中近東)、12万円(アジア・アフリカ・中南米など)、60,000円(留学先に関わらず家計基準外)
- 留学準備金(留学開始前に支給)…35万円(アジア地域以外)、21万円(アジア地域)
トビタテ!留学JAPAN | 求められる探究活動とは?
トビタテ!留学JAPANの高校生募集で何より特徴的なのは、留学計画にかならず自身の興味関心に沿った探究活動を含めなければならない点です。
よって、単に語学学校で英語を学ぶ、大学のサマーキャンプに参加するという計画では、本奨学金の採用要件を満たすことはできません
対象となる留学計画
募集要項によると、支援対象になり得る留学計画として以下のようなケースが例示されています。
- 留学先の語学学校、芸術学校、高校等に通いながら探究活動を行う
- 留学先の大学等が実施するサマースクールに参加しながら探究活動を行う
- 留学先のNGO団体のボランティア活動に参加しながら探究活動を行う
- 留学先の部活動やチーム練習に参加しながら探究活動を行う
このように、個人の関心に沿って幅広い留学計画を作成できるいっぽう、自由度が高すぎてどのように学校や受け入れ先機関を探せばいいのか不安を抱える人も多いでしょう。
現地のスクール事情によほど詳しい知り合いがいない限り、併行して探究活動を行う余裕があるのか、親切にサポートしてもらえるのかなど、確かな情報を入手することさえ容易ではない…
トビタテ!留学JAPAN | 英国の語学学校を拠点とした計画
そこで今回は、トビタテ留学JAPAN高校生枠の応募要件(留学計画)に適応するイギリスの語学スクールを紹介します。
イギリスとアイルランドのおすすめ語学学校
「Twin English Centres(ツイン・イングリッシュ・センター)」は、ロンドン・ダブリン(アイルランド)・イーストボーン(英)に主な拠点を置く、ヨーロッパ学生が多く集う語学学校です。
運営母体のTwin Groupは、約30年にわたり学生の英語教育や就業支援に実績を積み、語学にとどまらない多方面のノウハウを活かして職業体験プログラムや入学保証付きの大学進学準備コースも開講しています
最大15名の少人数クラスを採用し、日本人学生は非常に少ないため、海外での経験値を高めるには最適な環境!
一般英語コースの場合、Beginner(CEFR:A1相当)を含めて6段階のレベルにわかれており、英語力に不安があっても無理なく英語レッスンに順応できるでしょう。
TWIN English Centre
開校年 | 1995年 |
所在地 | ロンドン校(12 Lambarde Square, 1st Floor, The Greenwich Centre, Greenwich SE10 9GB)、ダブリン校(4 N Great George’s St, Rotunda, Dublin, D01 A8N4)、イーストボーン校(Compton Park, Compton Pl Rd, Eastbourne BN21 1EH) |
対象年齢 | 16才以上 |
滞在方法 | レジデンスなど(ホームステイもありますが、トビタテではホームステイは対象外) |
受講期間 | 1週間~ |
ロンドン・ダブリン・イーストボーンにある3つのキャンパス
ロンドン校舎(Twin London)
各校舎の特徴を挙げると、Twin Londonは世界遺産にも登録されているロンドン南東部の街、Greenwich(グリニッジ)にあります。
モダンデザインの校舎はアメニティも充実し、学生が自由に使える公共図書館があるほか、有料にはなりますがフィットネスセンターやスイミングプールも併設されています。
ロンドン中心部にもアクセスしやすく、さまざまな探究活動にも取り組みやすい立地といえるでしょう
アイルランド校舎(Twin Dublin)
Twin Dublinは、アイルランドの首都ダブリンの中心部に位置しており、ダブリンの主要スポットも近隣に揃うため、ロンドンと同じく探究活動を行うには好条件が整っています。
イーストボーン校舎(Twin Eastbourne)
そして、Twin Eastbourneがあるイーストボーンは、イギリス海峡に面し、国内有数の歴史的なリゾート地として有名です。
イーストボーン校の敷地内には各種スポーツを楽しめる十分なスペースがあり、ロンドンやダブリンよりも落ち着いた学習環境を望む人に適しています。
8ヵ所で14日間のサマープログラムも開催
また、Twin Groupは、日本人も参加しやすい7月~8月に、14日間のサマープログラム「Twin Summer Centre」も開催。
先述の3校舎に加えて、ロンドン・ダックランズ(London Docklands)、カンタベリー(Canterbury) キングストン、グロスター(Gloucester)、ウェリントンカレッジ(Wellington College)、エディンバラ・ウォーターフォードと複数のロケーションを用意しています。
英語レッスンとフィールドアクティビティの双方にバランス良く取り組めるほか、アウトドア系の予定を調整できるのもメリットです。
ただし、トビタテでは「既存のプログラムをそのまま留学計画としないように」言及しており、審査を通過するためにも独自の探究活動との兼ね合いは考慮しましょう
探究活動に支障がない英語学習コース
留学期間中、探究活動の時間を十分確保することを優先する場合、Twin各校のGeneral Englishコース(15時間/週)を受講するのが最適でしょう。
午前または午後のみ英語レッスンを受ける
General Englishは、ロンドン校とダブリン校は午前および午後、イーストボーン校は午前のみ開講している人気ナンバー1コース。
事前テストを経て6段階でレベル分けされたクラスでは、タスク・プロジェクトベースの学習法を取り入れ、生徒と教師が協働しながら包括的な英語力向上を目指します。
たとえば、General English Morningを受講する場合は9時~12時30分まで英語レッスンに参加。
その他に追加コース(Communication Skills、IELTS Preparationなど)を選ぶ場合を除き、12時30分以降は自由時間を確保できるため探究活動との両立も問題はないでしょう。
滞在方法は、ロンドン校とダブリン校はホームステイまたは寮滞在、イーストボーン校はホームステイのみを申込可能です(トビタテではホームステイは対象外)
基本的にシングルルームが用意され、ホームステイ時の食事パターンは朝食のみ、朝食&昼食、1日3食と細かなニーズに合わせてもらえます。
講座以外のこともスタッフに相談できる
TWIN English Centreは、英語学習における実績が豊富という点に加えて、とくに高校生年代の学生に対しては、各種サポート体制が一層充実しています。
常駐スタッフが、目的地への行き方や生活必需品を購入できる場所などいろいろな疑問に答えてくれるのはもちろん、探究活動に際してわからない点や困った点があれば、気軽に相談してみると問題解決の一助にもなるはずです。
2025年度の授業料と滞在費について
London Greenwich(1£=190円)
コース | 1~4週間 | 5~11週間 | 12~23週間 |
General English (費用/週) | £340(64,600円) | £300(57,000円) | £271(51,490円) |
寮滞在 (費用/週) | スタジオ | £395(75,050円)/£435(82,650円) |
エンスイート | £425(80,750円) |
Dublin(1€=160円)
コース | 1~4週間 | 5~11週間 | 12~23週間 |
General English Morning (費用/週) | 275€(44,000円) | 265€(42,400円) | 235€(37,600円) |
寮滞在(費用/週) | エンスイート | 365€~(58,400円~) |
Eastbourne(1£=190円)
コース | 1~4週間 | 5~11週間 | 12~23週間 |
General English Morning (費用/週) | £319(60,610円) | £290(55,100円) | £258(49,020円) |
実際にいくらかかるのか試算してみよう
ここで、2024年度の奨学金を利用して最短日数(14日間)TWINに通った場合、留学費用をカバーできるのかを確認してみましょう。
英国に留学する場合、奨学金160,000円+留学準備金350,000円=支給合計額510,000円
ロンドンでGeneral Englishコースを受講する場合
- 入学金…£55
- 2週間分授業料…£680
- 2週間分寮(スタジオ)滞在費…£790
→総計£1,525(約290,000円)
支給額51万円で上記留学費用を負担しても22万円程度は残るため、航空券手配や探究活動に係るコストを補うことが可能です。
ダブリン校やイーストボーン校については、ロンドン校より料金設定が安く、支給額の用途にはさらに余裕が生まれます。
英国での探究活動についてのヒント
イギリス、とくにロンドンは、公共交通機関で移動しやすく、ボランティア活動自体もバリエーション豊富なことから個性的な探究活動を実現するうえで恵まれた環境といえるでしょう。
探究活動の内容によっては、ロンドンに博物館や歴史的建造物が数多く揃う点も大いに助けになるはずです。
また、以下のようなWebサイトを活用して直接イギリスでのボランティア活動をリサーチすることもできます。
- Oxfam:貧困問題を筆頭に、気候変動、ジェンダーなどの社会課題解決を目指す支援団体
- WWOOF:オーガニック農法の普及を掲げるNGO
- The Conservation Volunteer:自然環境保全にフォーカスするボランティア団体