鹿児島県の進学校から、マレーシアの大学へ進学した松本悠太郎さん。
周囲の多くが国公立大学を目指す中、「大学に行く意味」を自分の中で問い直した結果、彼が選んだのは“海外の大学”という道でした。
海外進学ラボ奨学金を借りてまで行くなら、遊びではなく“学び”をしたい──そんな強い意志が、異国での挑戦につながっています
海外進学を考えたきっかけ“遊ぶだけの大学生活”に違和感
「せっかく学費を払うなら、将来につながるスキルを身につけたい」
受験勉強を進める中で、日本の大学生の様子を調べた松本さんは、“学び”よりも“楽しさ”が中心に見えたといいます。裕福な家庭ではなかったからこそ、「学びへの投資は意味のあるものにしたい」という思いが強まりました。



遊ぶだけの大学生活に数百万円も払うのは違うと思ったんです。だから、英語力やスキルを本気で磨ける環境を探しました
海外進学の原点|英語嫌いを変えた“先生との出会い”
中学時代は英語が苦手。個別指導塾に通い始めたことで出会った英語の先生の授業がとても面白く、英語への苦手意識が一変。



英語学習の楽しさを知りました、私も「英語を使って働きたい」と思うようになりました
留学について調べる中で、海外進学のことを知り、興味を持ちました。そして、「人と同じ選択肢は嫌だ」「世界を見ずに人生を終えたくない」──そんな気持ちも芽生え始めたといいます。
決断の背景|誰も歩んだことのない道へ
鹿児島県立出水高等学校では、特進クラスに在籍していた松本さん。
学校には海外進学の前例がなく、先生に相談しても「まずは国公立大を目指しなさい」と言われたそうです。「文句を言われないように一度は受験しておこう」と割り切り、高校卒業後に本格的な海外進学準備をスタート。
自分で情報を集め、ゼロから道を切り開きました。


出願準備とIELTS対策|夜勤バイトと独学の両立
卒業後の最初の2〜3ヵ月は夜勤の派遣バイトで学費を貯め、その後は独学でIELTSに挑戦。
高校英語とのギャップに苦戦しながらも、まずは高校英語を復習するところからスタート。IELTSの参考書を買って、単語帳や各技能の参考書を1冊づつやりました。



毎朝8時にオンライン英会話を予約して、絶対にサボれないようにしました。英語の発音から学び直して、少しずつ話せるようになっていきました
👉 IELTSのスコアの仕組み・CEFR換算表・英検やTOEFLの違いについて → IELTS完全ガイド
進学先の決定|マレーシアを選んだ理由
当初はカナダを希望していましたが、円安の影響で断念。学費が比較的安く、大学の学費が無料のドイツや英語圏の教育を受けられるマレーシアに注目しました。
マレーシアにはイギリスやオーストラリアの大学の分校があり、希望すれば本校にも留学できます。家族からも「アジアなら近くて安心」と後押しされ、「INTI 国際大学 INTI International University & Colleges」に進学。。
INTI 国際大学では、アメリカ・イギリス・オーストラリアの有力大学の学位をマレーシアだけで取れるツイニングプログラムが人気。
現在は、オーストラリアの「Swinburne University of Technologies」のツインプログラムでコンピューターサイエンスを専攻し、世界水準の教育を受けています。



同じ専攻の日本人は僕だけ。でも、教材も課題も本校と同じで、卒業証書も本校からもらえるので、かなりのレベルが保たれています
学びを通して見えたこと|“日本の良さ”を再発見
留学前は「外資系で働いてバリバリ稼ぎたい」と思っていた松本さん。しかし、海外で学ぶうちに日本文化への関心が高まり、伝統や職人技に魅力を感じるようになりました。
「有名企業に入ることだけが幸せではない」と語る彼の姿からは、価値観の変化が伝わってきます。


後輩たちへのメッセージ|「世界は、思ってるより近い」
「大学は日本だけじゃない。自分の気持ちに素直であってほしい」と松本さん。
SNSを使えば、世界中の先輩に直接つながれる時代。「Instagramで行きたい国で検索すると、海外進学している先輩と出会えます。気になっているならどんどん調べて連絡してみるべきです」。
鹿児島から飛び出して感じたのは、“世界の広さ”と“地元の良さ”。どちらも知ったからこそ、次の一歩に迷いはありません。
編集部より
奨学金を借りてでも、自分にとって意味のある学びを選びたい。そんな強い意志が、鹿児島からマレーシアへとつながった松本さんの道のり。
「大学進学=国内」という常識を軽やかに越える彼の姿は、これから進路を考える高校生にとって大きなヒントになるはずです。
協力:NPO法人みんなの進路委員会(編集:グローバルエデュ)
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自分の気持ちに素直であってほしい