大﨑永菜(滋賀県・中学3年生)
中学1年生のころから続けている川掃除を通して、環境問題や琵琶湖の水質問題に興味をもち、日々勉強中です。 SDGsについての啓発活動も続けています[/author]
英語で学び英語で表現するプログラム
この夏、私が参加した「リンガフランカ・イングリッシュ・キャンプ・イン・大阪 Lingua Franca English Camp in Osaka」について紹介します。
2018年8月4日(土)~8日(水)に、「タクトピア」が「大阪国際交流センター」で開催した4泊5日の宿泊型イングリッシュキャンプで、世界の問題やSDGsについて学び、最終日にはそのトピックについて自分たちが学んだこと、考えたことをさまざまなアート手法で「表現」します。
他国と比較して日本を知る「Global Talk」
1日目のプログラムは「Global Talk」。4人の海外大学生と、アメリカ、イギリス、ロシア、スリランカ、バングラデシュの文化について日本と比較しながら議論しました。
みんなが盛り上がったのは、クリケットの話題。試合時間がとても長く、最大5日間ほど続くということに、とても驚きました。
日本人の参加者で「クリケットを知っている・やったことがある」という人はほとんどいなかったのですが、じつはクリケットはサッカーに次いで、世界で2番目に競技人口が多いメジャー競技なのです。
日本にいるとなかなか知ることができないものや、私たちが全然知らないことが世界にはまだまだあるのだ、と改めて感じました。
創造的に表現する方法を学ぶ「CHOタイム」
ひととおり、1日のプログラムを終え、夕食を食べた後は「CHOタイム」です。CHOとは「Chief Happiness Officer」 (参加者の幸福をマネジメントする担当者)の略で、このキャンプでCHOを務める大学生スタッフによるプログラムなのでこのように呼ばれていました。
CHOタイムは毎日夕食後にあり、このイングリッシュキャンプの目的でもある「表現」する方法を、さまざまなアクティビティを通して学びます。
たとえばスキット(寸劇)をしたり、絵を描いたり、ジェスチャーゲームをしたりなど、いままで私がやっていたパワーポイントや話すだけのプレゼンテーションではなく、さまざまな方法で自分の想いや考えを表現し、伝えられるようにします。
このCHOタイムも、ただ楽しいだけのアクティビティではなく、最終日のプレゼンテーションの発表などにすべてつながっていました。
世界の問題について知り、英語で発表
2日目と3日目は、おもに世界の問題について学びました。海外大学生がそれぞれ大学などで学んでいることを発表し、ゲームなどを通して世界の問題についてより理解を深めていきます。
今回のキャンプで取り上げられた世界の問題は、下記の4テーマでした。
- Global Warming(地球温暖化)
- Immigration problem(移民問題)
- Overpopulation(過密・人口増加)
- Online communication(オンライン・コミュニケーション)
「Immigration problem」では、Immigration gameという手法を用いて、全員が移民となり、そのなかで裕福な家族、ミドルクラス家族、貧困家族のグループにわかれ、シチュエーションを考えていきました。
私は貧困グループになったのですが、最初は、自分たちの何倍もの富を持った裕福な家族は、他の国でも何不自由なく普通に生活ができると思っていました。
しかし、実際にシチュエーションを考えていくと、裕福な人たちがいくら富を持っていたとしても、移民というだけで質の高い教育を受けられなかったり、人種などの差別もあり、裕福な人であっても困難が常に立ちはだかっていて、移民は世界でまだまだ受け入れられていないのだと実感しました。
そして、海外大学生から世界の4つの問題について話を聞き、一番興味を持ったものについて最終日に発表します。
私が選んだのは「Online communication」についてです。普段あまり考えないような内容を英語で学びました。
実際に英語で議論していると、自分の知らない英単語ばかりで、スラスラと自分の考えを伝えられないことに何度ももどかしさを感じました。とくにしっかり文を構成して話すことが想像以上に難しく、いままで自分がどれだけいい加減な英文を話していたのかと気づくことができました。
しかしそれでも、同じグループのメンバーや留学生、講師は真摯に私のつたない英語を聞いてくれ、英単語の違う言い回しなどもたくさん教えくれたので、そこから新たな発見や学びがたくさんありました。
「表現力」を磨けばもっと伝わると実感
そして最終日。4つのチームがそれぞれの問題について発表しました。
いままでは、パワーポイントやポスターセッションを使っての発表しかしたことがありませんでしたが、今回はCHOタイムで学んだ表現の方法を参考にしながら、アート手法で表現をしたので、とても新鮮でした。
面白いなと思ったのは、発表の途中に短いスキットを入れながら発表していたところで、発表の話を淡々と聞くだけではなく、間にスキットでの実演もあったので、とても楽しく話も入りやすかったです。
パワーポイント以外でさまざまな表現方法を考えるのはとても難しいものでしたが、どのチームもまったく違った表現方法を組み込んでいて、話す以外の「表現」方法をもっと使い、もう一度発表したいと思いました。
私は「表現」することがあまり得意ではなく、そのうえ英語でとなると、とても困難なプログラムでした。しかしこのプログラムを通して英語の楽しさを改めて感じ、自分の英語力、現在の実力を知ったうえで、「もっと学びたい!」という意欲も強くなりました。
キャンプで発見したいろいろなこと
私がこのキャンプの5日間を通して新しく出会った英単語の数は、約250語以上あります。
プログラム途中には、「中・高6年分の英単語Roots」の本の著者でもある、タクトピアの講師・嶋津さんが、英単語の語源を教えてくれる講義もありました。
これまで私は英単語を覚えることがあまり得意ではなかったのですが、英単語はただ暗記して覚えるのではなく、語源を知ることにより単語のイメージが浮かびやすくなり、楽しく覚えることができるのではないかと感じました。キャンプが終わってからは「単語をもっと知りたい」という思いの方が先走りするほどになっています。
* * *
いまある自分の実力に満足するのではなく、もっと上を目指すこと。日常だけを過ごしていると狭くなってしまう周りの空間や視野を広げてくれたキャンプでもありました。
以前より、私が暮らしている滋賀県の琵琶湖の環境問題について興味を持って研究をしているので、今後は琵琶湖の環境問題について、私に合った表現の方法で世界中に発信していきたいです。
【Lingua Franca English Camp in Osaka 2018】
- 主催:タクトピア
- 日程:2018年8月4日(土)~8日(水)の4泊5日
- 対象:中高生(英検2級程度以上の英語力が必要)
- 定員:40名
- 参加費:7万9800円