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中高生レポート㉒ | 海外ボランティアプログラム「カンボジアでケア&コミュニティ2週間

S(東京・中等教育学校、15才)

難民問題、観光政策、貧困や教育などさまざまな分野に興味があります。夢は、難民キャンプで暮らす子どもたちや貧困に悩む子どもたちに立派な教育を届けることです[/author]

カンボジアでボランティアを体験

2018年7月29日(日)から8月12日(日)まで、カンボジアの首都・プノンペンで実施されたボランティアプログラムに参加してきました。

海外ボランティアやインターンシッププログラムを運営する「プロジェクトアブロード Projects Abroad」が主催している「高校生短期海外ボランティア カンボジアでケア&コミュニティ」というプログラムで、2週間かけて子どもたちと遊んだり勉強を教えたり、学校の環境整備を手伝ったりしました。

Projects Abroadは、アジアやアフリカ、中南米、ヨーロッパまで世界のさまざまな地域で活動するプログラムを用意しており、建築やケアコミュニティ、公衆衛生まで、自分の行きたい地域・活動内容から選ぶことができます。

カンボジアのプログラムでは、ボランティアだけでなく、週末に世界遺産の「アンコール・ワット」や「ロイヤルパレス」(王宮)を訪問したり、40年前の大量虐殺の跡地「キリングフィールド」や「トゥール・スレン虐殺犯罪博物館」を見学したりしました。

今回のプログラムの参加者は30名ほどで、日本からだけでなくイギリス、フランス、アメリカなど外国からの参加者も多くいました。

現地でのボランティア活動や観光では、これらの国々参加者が交ざってチームを組んで活動し、食事なども一緒。夜は、翌日の子どもたちのアクティビティについて参加者同士で話し合う時間もひんぱんに設けられていました。

このように、活動を通じて、海外の同世代の仲間ともたくさん交流できるところもおすすめです。ホテルに宿泊するプランだったので安心して生活できましたし、またプールやジムも無料で利用でき、とても楽しかったです。

このプログラムに参加した理由

もともと難民や貧困などの国際問題に興味があった私は、これまで「JICA」や「World Vision」といった国際NGOが主催するイベントにも数多く参加していました。

「カンボジアに行く」と決めたのは、これらのイベントで出会った日本人女性との会話がきっかけでした。その人はタンザニアに住んでいて、現地の人たちと同じような生活を送っていて、現地の人と結婚、出産もしています。

その女性は、「みんなのような中高生が国際問題に興味を持ってくれるのは嬉しいけれど、実際にそこに行って、現地の人と同じように生活していくなかで、はじめてその人たちの気持ちが理解できる」と話してくれました。これがきっかけとなり、私も発展途上国に行ってみたい、と思うようになりました。

カンボジアに決めた理由は、日本から直行便が出ていて便利だったこと、世界遺産検定を取得する過程でアンコールワットに行きたくなったこと、そして40年前の大量虐殺を知りそれらの歴史を学びたいと思ったことなどです。

このプログラムに決めた理由は、海外からの参加者も多く、ボランティア以外にも観光や買い物などさまざま体験ができることが魅力的だったからです。

Projects Abroadのプログラムに参加するなら、高校生なら同世代の人と一緒に活動できる「高校生スペシャル」がおすすめです。15才以上なら誰でも参加でき、選考もありません。申し込みは、Projects Abroad公式サイトから申込書をダウンロードし、それに記入して提出するだけです。

なお、事前に準備したのは、予防接種や渡航のための用意、カンボジアの下調べなどです。

持ち物については、申し込み後にリストが届きますが、制汗剤やウェットティッシュ、日焼け止め、虫よけ、日本のお茶などはたくさん持っていくと便利です。予防接種はA型肝炎のみしました。

貴重な体験が詰まったカンボジア滞在

カンボジアでは、本当に他ではできないような貴重な経験をたくさんさせてもらいました。

平日の午前中は小学校で子どもに英語を教えたり、参加者それぞれの国の文化を一緒に体験したりしました。私は折り紙を持参し、折り方を教えて一緒に遊びました。

午後は、荒れ地に花壇を作るために雑草抜きをしたり、校舎の壁の塗替えや塀のコンクリート固めをしたりしました。

最初に小学校に到着したときは衝撃的でした。電気のない暗い教室、自分で水をくんで流すタイプの汚いトイレ。学校には水道もありませんでした。

教室の床も土そのままで、机や椅子もボロボロ。それでも子どもたちは本当に意欲的で、何をするにも楽しそうで、何かを教えるとすぐに真似をしてくれました。

カンボジアの母国語はクメール語で、子どもたちには英語がほとんど伝わりませんが、笑顔とジェスチャーでコミュニケーションを取ることができました。

設備は整っていなくても、一生懸命で笑顔を絶やさない子どもたちから私自身が元気をもらいました。雑草抜きやコンクリート固めをしていると、寄ってきて手伝ってくれる子どももたくさんいて、子どもたちの優しさにも触れました。

1日のボランティアを終えたときには汗でびっしょりで、達成感がありました。

自分の目で見て知ることの大切さ

ボランティア以外のアクティビティも、とても充実していました。

週末にはバスで6時間かけて、アンコールワットなどの遺跡群がある「シェムリアップ」という街に観光に行きました。

平日も、王宮の見学や大虐殺の現場となった「キリングフィールド」や拷問を受けていた元学校だった収容所などを訪問し、その歴史を実際に見て学ぶことができました。

街なかで受けた衝撃も忘れられません。アンコールワット観光のとき、朝早いのに小さな子どもたちがマグネットやポストカードなどを持って売りに来たり、貧しくてボロボロの服を着た子どもがお金をねだってきたり、ゴミが道端に山積みに置いてあったり…日本では信じられないような光景ばかりでした。

ボランティアをするだけではなく、こうしたカンボジアの文化や歴史、人々の生活や貧困の原状なども、実際に自分の目で見ることができたことは本当に貴重だったと思います。

現地の教育現場や貧困現場、衛生環境を見て、日本のような先進国が現地の人が人間らしい生活を送れるように、もっと支援していかなくてはいけないと強く感じました。

ボランティア、観光、買い物などアクティビティもすべて楽しくて、本当にいい思い出になりました。みなさんも、ぜひ参加してみてください。

プロジェクトアブロード


【「カンボジアでケア&コミュニティ」プログラム】

  • 主催:Projects Abroad
  • 日程:2018年7月29日(日)〜8月12日(日)
  • 対象:高校生(15才以上)
  • 参加費:26万4500円(航空券やビザ申請費などは含まれない)

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