SATの科目別テストとエッセイが廃止に
アメリカの大学進学適性試験「SAT」を運営する非営利団体「College Board」は、科目別テスト「SAT Subject Tests」とオプションの論文式試験「SAT Essay」を、2021年6月に廃止します。
SAT(Scholastic Aptitude Test)には、読解(Reading)、記述と言語(Writing and Language)、数学(Math)、エッセーで構成される「SAT Reasoning Test」(こちらが一般的に「SAT」と呼ばれるテスト)があり、エッセーは希望者のみが受験。今回、エッセーは廃止されますが、こちらのSATは継続されます。
いっぽう、科目別テスト「SAT Subject Tests」は、5教科20科目から選択して受験。通常1年に6回の受験機会があり、一度に3科目まで受験可能でした。
科目別テストに申込済みの受験生は、アメリカ国内ではすでに終了しているための自動的にキャンセル扱いとなり、受験料の返金も併せて行われます。アメリカ以外では、2021年6月の開催分までは従来通り受験が可能ですが、受験を希望しない受験生は、返金対応もしくはSAT受験に振り返ることもできます。また、エッセイテストは、2021年6月実施分が最終回となります。
科目別テストを受ける場合でも、大学が科目別テストのスコアを引き続き評価点として考慮しているか、あるいはスコア受付自体を中止していないかなど、最新情報を確認する必要があります。
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SAT Subject Testsが中止された理由としては、同じくCollege Boardが実施する「AP」カリキュラム(Advanced Placement)の利用が低所得世帯の生徒の間で広がっていることから、SAT Subject Testsを通じて知識・スキルを証明する必要性が薄れたからとしています。エッセイの廃止に関しては、他の方法によって評価の機会を十分確保できるという見解が示されています。
APは、日本では一部のインターナショナルスクールがカリキュラムとして取り入れているのみですが、日本からの海外大受験者は何らかの形で科目知識を示す代替案などが求められることになります。