カナダトップ大学 | 世界的に際立った評価を得ている6大学とは?
カナダのなかでも優れた学術研究を行う大学として「U15 Group of Canadian Research Universities 」という名門15校から構成されるカテゴリ―があります。
今回は、そうしたU15のなかでも、世界的に際立った評価を確立しているカナダ6大学の特色をまとめて紹介。
下の奨学金はカナダの大学でも使えますので、まずはチェックを!
コミュニティカレッジからの編入生について
さらに、名門大学に在学する再チャンスとなる、コミュニティカレッジからの学生受け入れ数もあわせて調査しています
この編入ルートは、4年制大学に入学するには英語力や成績(GPA)が足りなかった場合でも、2年制カレッジ在学中に優秀な成績を取得することで、おもに3年次から4年制大学への入学がかなう制度です
高校卒業時点では、学力が間に合わないとしても諦めず名門大学を目指せるオプションとなるため、編入動向についても積極的に情報収集しておくことをおすすめします。
カナダトップ大学① | University of Toronto
トロント大学(University of Toronto)は、THE世界大学ランキングにおいて、カナダで唯一トップ20にランクインする総合力を有する大学。
大学の前身は、1827年に英国王室から認可を受けて創設された「キングス・カレッジ」。
その後、複数のカレッジと連合しながら教育・研究の両面で拡張を続け、今日ではメインのセントジョージキャンパスを中心に、3キャンパスを構える北米最大規模の総合大学として知られています。
大規模校にふさわしく専攻科目には700以上の選択肢があり、とくに
- Psychology(心理学)
- Management(経営学)
- Medical Technology(医療技術)
- Sociology(社会学)
- Human and Biological Sciences(ヒトと生物科学)
- Public Health(公衆衛生)
- Computer Science(コンピュータサイエンス)
などは学術的にも高い評価を集めています。
トロント大学は、将来性が期待されるAI・ディープラーニング分野の研究でも名高く、トロントがIT最先端都市「北のシリコンバレー」へと急成長した原動力のひとつに数えられる存在です。
データで見るトロント大学
都市 | オンタリオ州トロント |
学生総数(フルタイム) | 7万7468人 |
男女比率 | 44:56 |
教員1人あたりの学生数 | 約26名 |
留学生比率 | 26パーセント |
国・地域別留学生数 | 1位中国、2位インド、3位韓国、4位米国、5位香港、9位日本(251名) |
ファンデーションコース | あり(入学対象学部に制限あり) |
THE世界大学ランキング2023 | 18位 |
出願要件
英語力証明 | IELTS6.5(各バンドスコア6.0以上)、 TOEFL iBT100(Writingセクション22以上) |
成績 | 高校卒業証明書(成績要件なし) |
個々人の相性にも左右されますが、IELTSに比べるとTOEFLのほうがワンランク難易度の高い基準が設定されています。
成績は、合格のための最低基準等は指定されておらず、高校時の評価は関係なく誰もが出願しやすいのは利点
総じて入学要件を満たすものの、英語力だけが不足するというケースでは条件付き合格としてファンデーションコース(IFP)に入学できる可能性があります。
このIFPに参加可能な英語力要件は、IELTS5.0以上(各バンドスコア5.0以上、Writingのみ5.5以上)、TOEFL iBT63以上(Writingセクション16以上)が定められています
留学生の学費
トロント大学は、取得学位ごとに授業料設定が異なり、年間学費はおおまかに4万1000~6万5000カナダドル(430.5万円~682.5万円、1CAD=105円)。
トロント大学に限らず、留学生がカナダの大学に通う場合、地元学生や永住権保持者よりも大幅に高い授業料を負担することになります
カナダトップ大学② | University of British Columbia
ブリティッシュコロンビア大学(University of British Columbia)は、THE世界大学ランキング40位、国単位では2位にランクインするカナダ西部最大規模の名門大学です。
マギル大学の分校として1908年に設立されましたが、1915年にはブリティッシュコロンビア大学として独立して今日に至っています。
留学生比率(34パーセント)からも読み取れるように、北米圏でトップクラスの国際性を備え、留学生向けの奨学金も充実。成績が優秀であるほど、何らかの学費支援を受けられる可能性は高くなります。
また、大学が所在するバンクーバーは、冬の冷え込みがきびしいカナダ全般の傾向とは異なり、1年を通じて比較的温暖な気候で知られるエリアです。
こうした過ごしやすい気象条件や美しい自然に恵まれた環境は、学生生活にもポジティブな影響を与えてくれるはず
世界的に高い評価を得ている科目には、
- Education(教育学)
- Linguistics(言語学)
- Geography(地理)
- Engineering – Mineral & Mining (鉱物・鉱山工学)
- Environmental Sciences(環境科学)
- Earth & Marine Sciences(地球・海洋科学)
- Sports-related Subjects(スポーツ関連学)
などが揃っています。
海や森に恵まれたロケーションを存分に活かした、環境や自然科学系のプログラムがより充実している印象です。
データで見るブリティッシュコロンビア大学
都市 | ブリティッシュコロンビア州バンクーバー |
学生総数(フルタイム) | 5万6452人 |
男女比率 | 45:55 |
教員1人あたりの学生数 | 約19名 |
留学生比率 | 34パーセント |
国・地域別留学生数 | 1位中国、2位インド、3位米国、4位イラン、5位韓国 |
ファンデーションコース | あり |
THE世界大学ランキング2023 | 40位 |
出願要件
英語力証明 | IELTS6.5(各バンドスコア6.0以上)、TOEFL iBT90(Reading: 22、Listening: 22、Writing: 21、Speaking: 21) |
成績 | 高校卒業証明書(5段階評価中アベレージ4) |
TOEFL iBTはスキルごとに最低スコアが定められているので、偏りのない英語運用能力が求められます。
成績の入学基準は、募集年度や出願学部によっても流動的な場合があります。
今世紀に入って新設されたOkanaganキャンパスでは、成績の入学要件を満たすものの英語力が不足する新入生に対して、English Foundation Program(ファンデーションコース)を開講
IELTS5.0(各バンドスコア4.5以上)やTOEFL iBT70(スキル別スコア不問)が、ファンデーションコースの最低ラインに定められますが、提出スコアに応じて初年度から単位取得しやすいEAPコースに割り当てられる可能性もあります。
留学生の学費
授業料はプログラム別に設定されていますが、単位を上限まで履修する場合の年間学費は4万2543~5万8154カナダドル(447万円~611万円:1CAD=105円)の範囲内に収まります。
2022~2023年度において、UBCが大学外部から編入を認めた学生数は、バンクーバーとオカナガンの両キャンパスを合わせて5330名。
そのうち実際に入学したのは3150名を数え、編入オファーを受けた学生の約6割が正式にUBC入学を決めたことがわかります。
また、編入により入学した学生の3150名中、カナダ国外からの学生数は658名です。よって、実際に編入したUBC学生の約2割を留学生が占めている状況です。
カナダトップ大学③ | McGill University
マギル大学(McGill University)は、1821年にイギリス王室の認可により創設されたマギル大学は、カナダでは最古の歴史を誇る名門大学です。
1915年にマギル大学から独立したブリティッシュコロンビア大学とは、カナダ国内の大学ランキングにおいて、例年2位の座を取り合う拮抗した関係性が続いています。
マギル大学は、住民の多くがフランス語を使用するモントリオールに位置しますが、学内の授業は英語ベースで行われるため学業面でフランス語が求められるわけではありません。
ただし、カナダの一般的な大学とくらべると、フランス国籍の留学生比率が非常に高いのは確かです。
トロント大学やブリティッシュコロンビア大学よりもアジア圏の学生数は目立たず、その分フランスや米国出身の留学生が多数派を占めています
世界的に高い評価を得ている専攻科目には、
- Engineering – Mineral & Mining(鉱物・鉱山工学)
- Anatomy & Physiology(解剖学と生理学)
- Medicine(医学)
- Environmental Sciences(環境科学)
- Linguistics(言語学)
- Law(法学)
などをあげることができます。
古くは本校と分校の関係にあったブリティッシュコロンビア大学とは、高評価を確立している学問分野がやや類似している点も印象的です。
データで見るマギル大学
都市 | ケベック州モントリオール |
学生総数(フルタイム) | 3万2309人 |
男女比率 | 4:6 |
教員1人あたりの学生数 | 約12.5名 |
留学生比率 | 30パーセント |
国・地域別留学生数 | 1位中国、2位フランス、3位米国、4位インド、5位メキシコ、日本1パーセント未満(75名) |
ファンデーションコース | なし(正規入学のみ) |
THE世界大学ランキング2023 | 46位 |
出願要件
英語力証明 | IELTS6.5(各バンドスコア6.0以上) TOEFL iBT90(各スキル21点以上) |
成績 | 高校卒業証明書(最低要件アベレージB+/ GPA3.3程度) |
英語力要件は、ブリティッシュコロンビア大学とほぼ同等ですが、ファンデーションコース経由で入学するオプションがないため、実質的な入学基準はカナダ総合大学のなかでも最難関レベルでしょう。
そのため、英語力や成績面が厳しい場合は、編入によってマギル大学を目指すのも選択肢のひとつです。
留学生の学費
おおまかな年間学費の範囲は、2万8466~5万9654カナダドル(299万円~626万円:1CAD=105円)。
マギル大学は、取得可能な学位によって授業料設定も大きく異なります。
カナダトップ大学④ | McMaster University
マックマスター大学(McMaster University)は、トロントとナイアガラの滝の中間点にある工業地帯、ハミルトンに拠点を構える中規模大学です。
創設の地トロントから1930年にハミルトンに移転し、特に医学と工学に強みを発揮する大学として、鉄鋼を中心とする地域産業を支える役割も担ってきました。
留学生比率は、カナダの他のトップ大学とくらべるとやや少なく、中東圏を含むアジアの留学生が多くを占めるのが特徴です
専攻科目としては
- Nursing(看護学)
- Sports-Related Subjects(スポーツ関連学)
- Anatomy & Physiology(解剖学と生理学)
- Medicine(医学)
- Infectious Diseases(感染症学)
- Mathematics(数学)
など、同校の伝統でもあるメディカル色の強い学問分野が世界的な評価を高めています。
データで見るマックマスター大学
都市 | オンタリオ州ハミルトン |
学生総数(フルタイム) | 2万6403人 |
男女比率 | 44:56 |
教員1人あたりの学生数 | 約29名 |
留学生比率 | 20パーセント |
国・地域別留学生数 | 1位中国、2位インド、3位イラン、4位韓国、5位サウジアラビア |
ファンデーションコース | あり |
THE世界大学ランキング2023 | 85位 |
出願要件
英語力証明 | IELTS6.5(各バンドスコア6.0以上)、TOEFL iBT86(各スキル20点以上) |
成績 | 高校卒業証明書(成績要件なし) |
IELTS6.5は他の大学とも同じ水準ですが、TOEFL iBTはやや低めのスコア(86点以上)が設定されているため、TOEFL受験者にとっても要注目の出願先といえるでしょう。
英語力のみが入学基準に届かない留学生向けに、条件付き合格オファーとともに英語準備コース(MELD)で学ぶルートも用意されています。
ただし、MELDプログラムに参加するには、最低基準IELTS5.0、TOEFL iBT70などをクリアする必要があります。
留学生の学費
専攻によって授業料設定は異なりますが、大半のコースは年間学費4万3000~5万3000カナダドル(452万円~557万円:1CAD=105円)の範囲内に収まります。
カナダトップ大学⑤ | University of Montreal
モントリオール大学(University of Montreal)は、マギル大学のメインキャンパスにも近接したフランス語を主要言語とする名門大学。
付属大学として、モントリオール理工科大学やHECモントリオール大学(ビジネススクール)の人気も高く、組織全体を含めると北米圏でもトップクラスの規模感を有する大学群です。
大半の授業がフランス語ベースで行われ、出願時にはフランス語の語学レベル証明を求められるのが特徴的です
いっぽう、同じくモントリオールに位置するマギル大学は英語を公用語に指定しており、両校間では語学事情が異なるので注意しましょう。
専攻科目のなかでは、
- Cardiac and Cardiovascular Systems(心臓・循環器系)
- Oncology(腫瘍学)
- Immunology(免疫学)
- Clinical Medicine(臨床医学)
- Computer Science(コンピュータサイエンス)
- Space Science(宇宙科学)
のように医療系や研究色の強い分野がグローバルに注目される傾向にあります。
データで見るモントリオール大学
都市 | ケベック州モントリオール |
学生総数(フルタイム) | 3万8189人(付属校を含めると総計6万人以上) |
男女比率 | 41:59 |
教員1人あたりの学生数 | 約21名 |
留学生比率 | 22パーセント |
フランス語の入学準備コース | あり |
THE世界大学ランキング2023 | 111位 |
出願要件
フランス語レベル証明 | DELF/DALF:B2、TEF:605以上(仏検準1級相当) |
成績 | 高校卒業証明書(GPA3.0/4.3換算) |
フランス語レベルがB2より1ランク下のB1まで達している留学生は、4ヵ月間でB1→B2まで集中的にレベルアップを目指すFrench Intensive Programを受講することが認められます。
入学申請の際に、要件となるスコアを未取得の場合は、大学側から提供されるオンラインテストを受験して語学力証明に代えることも可能です。
留学生の学費
1単位あたり685~903カナダドルベースに、年間30単位取得すると仮定して年間学費を求めると、2万553~2万7101カナダドル(216万円~285万円:1CAD=105円)が概算となります。
カナダトップ大学⑥ | University of Waterloo
ウォータールー大学(University of Waterloo)は、有力なIT企業が集結するトロント西方に位置し、北のシリコンバレーを担う人材育成でも注目される理工系大学です。
1957年の創設時より理数・エンジニアリングに注力を続け、今日では先進的なコンピュータサイエンスを学びに北米圏や世界中から意欲ある若者が集うことで知られています。
日本での知名度はいまひとつですが、コンピュータ系の学部に志願する学生の優秀さはカナダ国内最上位と言っても過言でありません
ウォータールー大学独自のCo-opという有給の実務教育プログラムも導入。
7500社以上の雇用主のもと4週間単位で実務を重ね、タームごとに職場を移りながら在学中に最大24ヵ月もの就業経験を積むことが可能です。
世界的に評価の高い履修科目は、
- Computer Science(コンピュータサイエンス)
- Electrical & Electronic Engineering(電気電子工学)
- Mathematics(数学)
- Anatomy & Physiology(解剖学と生理学)
- Mechanical Engineering(機械工学)
- Artificial Intelligence(人工知能)
などまさにウォータールー大学の個性を反映したコンテンツが並びます。
データで見るウォータールー大学
都市 | オンタリオ州ウォータールー |
学生総数(フルタイム) | 3万4306人 |
男女比率 | 52:48 |
教員1人あたりの学生数 | 約23名 |
留学生比率 | 23パーセント |
国・地域別留学生数 | 1位中国、2位インド、3位韓国、4位ベトナム、5位パキスタン、日本:0.4%(約25名) |
ファンデーションコース | あり |
THE世界大学ランキング2023 | 201-250位 |
出願要件
英語力証明 | IELTS6.5(Writing, Speaking6.5以上、Reading, Listning6.0以上) TOEFL iBT90(Writing, Speaking25点以上) |
成績 | 高校卒業証明書(基準公表なし) |
出願する学部コースによって、大学が用意するAdmission Information Form(AIF)やオンラインインタビューの提出を指示される場合があります。
高校時の成績に明確な指定はありませんが、コンピュータ分野や工学など人気のある専攻に対しては、成績もハイレベルな水準が求められるでしょう。
英語力が不足する場合は、条件付き合格をもってBASEというファンデーションコースを受講するようオファーされます。
英語力証明や他の提出情報に基づき、おもに4ヵ月または8ヵ月のセッションが割り当てられますが、最低要件としてはIELTS5.5(Writing5.0以上)やTOEFL iBT74が必要です。
留学生の学費
年間学費は、学部やプログラムによって開きがありますが、おおよその費用レンジは4万8000~7万1000カナダドル(504万円~745万円:1CAD=105円)です。