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未来をつくる学びのカタチ #16 | 「めっちゃ面白そう!」から始まった模擬国連が、私の進路を導いた

未来をつくる学びのカタチ」は、10代の挑戦と成長を記録するシリーズです。海外体験、探究活動、地域貢献──さまざまなフィールドで、自分の問いを深め、行動した中高生たち。

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「めっちゃ面白そう!」という直感から始まった模擬国連への挑戦。

ゼロから全国大会へと歩んだ経験は、対話で平和を築く力と、将来への明確な進路を形づくっていきました。

ほっち さん
(愛知県私立高校2年生)
全日本高校模擬国連大会
  • 主催:一般社団法人グローバル・クラスルーム日本協会
  • プログラム名:全日本高校模擬国連大会
  • 挑戦期間:2023年9月〜2024年11月
  • 対象:日本の高等学校に在籍している高校1年または2年生
  • 場所:予選を経て、全国大会(東京)に出場

グローバルエデュは、親子で“未来にひらく進路選択”をつくる教育メディアです。2026年は「海外進学ラボ」を核に、ENGLABコミュニティ、進路相談をさらに拡充。よりよき進学をめざすファミリーが、学びながら・自分らしい道を選べる環境づくりを進めていきます。

Contents

「めっちゃ面白そう!やってみたい!」から始まった挑戦

「めっちゃ面白そう!やってみたい!」から始めた模擬国連、が自分の夢物語を実際のロードマップとして描くきっかけになりました。

偶然ネットで全日本模擬国連大会の存在を知り、一念発起。

ほっち さん

まったくのビギナーから始めましたが、何でもやってみる精神で挑み続けて半年後、念願の全国大会に出場することができました

今回は、そんな私の体験をみなさんにご紹介します。

ほっちさんが参加した、全日本模擬国連大会

国際関係への興味と、ぼんやりしていた将来

私は、小学生の頃から英語を勉強していたこともあってか、異文化や外国の人々、国と国のつながりといった国際関係に興味を抱いていました。

高校に入学してから、将来は国際機関で働きたいと考えたこともありました。

しかし、自分にとってその場所はニュースで見るような遠い存在で、ぼんやりと頭の中に思い浮かべては消えていき、結局将来何がしたいのか分からないままの日々を過ごしていました。

模擬国連との出会い | 偶然の検索から人生が動き始めた

そんな高校1年だった2023年9月のある日、ふと思い立って「国連」をキーワードに検索して適当にスマホの画面をスクロールしていると、「模擬国連」という字面が目に留まりました。

リンクを開いてみると、「各国の大使になりきる」「他国の大使と交渉」「全国の高校生と国際問題を議論」といった模擬国連について説明された文章が、私の興味とピッタリはまりました。

ほっち さん

「模擬国連ってめっちゃ面白そう!やってみたい!」と、これまでにないほど挑戦したいという気持ちが湧いてきました

私がこの時見ていたサイトは「全日本高校模擬国連大会」のホームページ 👉で、絶対にこの大会に出ようと決心しました。

ゼロからのスタートとペア探し

決心したのはいいものの、当時模擬国連についてほとんど何も知らない素人だった私は、そもそも模擬国連はどう始められるのか全く分かりませんでした。

私が住む愛知県では、模擬国連の活動は都心部や関西地域と比べると活発ではなく、まだまだ情報量は少ないのが現状です。私の学校の先生や周りの友人は模擬国連の存在すら知りませんでした。

とりあえず、大会には2人1組で出場する必要があったため、一緒に取り組んでくれるペアを見つけて、大会の出場基準を満たすところから始まりました。

最初のうちは断られ、なかなか見つけることができず、早くも私の目標が潰えそうになり心が折れかけましたが、運良く、同じ学園祭の実行委員会に所属している子が引き受けてくれることになりました。

学びの始まりと模擬国連の基本を知る

自力で情報を集め、学び続けた日々

その後は、ペアと一緒にインターネット上にあるマニュアルや図書館で借りた模擬国連の本を読み込み、模擬国連のルールや具体的に何をするのかを勉強し、大会に出場するために何が必要かを考えました。

初めて現場を見た東京見学

まず、実際に模擬国連を自分の目で見る必要があると思い、12月にペアと2人で東京に行き、大学の模擬国連を見学しました。

そこで模擬国連の世界大会に出場したことのある大学生の方々に話を聞く機会をいただき、模擬国連に関するリソースやどんなことを意識して会議に臨むかなどを教えていただきました。

ほっち さん

一番印象に残っているのは、「英語力はオプション。自分の武器を生かすことが最も大切だ」という言葉です

大会ではスピーチや決議案の作成は英語で行うのですが、純ジャパの私は自分の英語力に自信がありませんでした。

しかし、その言葉を聞いて、自分の武器を必ずしも英語力だけに絞る必要はないということに気づき、自分の得意分野を模索するようになりました。

練習会での試行錯誤

教えていただいた情報源をもとに、翌年1月からオンラインで開催される練習会に申し込んでは準備をして参加するという日々が続きました。

初めての模擬国連は「核軍縮」をテーマにロシア大使として参加したのですが、発言や他国の大使とのやり取りに怖気づいてしまい、どうしても発言しないといけない時だけ話して、あとは全く発言できませんでした。

練習会が終わると、ペアと通話をしながら良かった点や改善点を話し合い、次にどう動くかを考えました。

ほっち さん

この振り返りをもとに次の練習会に臨むということを繰り返し、積み重ねていくうちにだんだんと上達していきました

全国大会への挑戦

予選突破までの道のり

半年後の7月、最終的に5回ほど練習を重ねて大会の予選会に挑むことになりました。この大会は高校1、2年生のみが出場できるので、私とペアにとって最初で最後のチャンスでした。

他の参加者と比べると経験の量は劣るため、事前準備で埋めるしかないと思い、授業後や土日は図書館に集まって国や議題についてのリサーチを徹底的に行い臨みました。

結果的にこれまでで1番の会議行動をすることができ、予選を通過することができました。

通過チーム一覧に自分たちの番号(割り当てられるID)が書かれているのを見た時、自分の念願が叶うことを実感し、嬉しさがこみ上げてペアと嬉し涙を流しました。

模擬国連とは?

模擬国連とは文字通り、「国連を模擬する」活動です。

一つの国際問題について各国の大使として会議に参加し、その国の立場から解決策を提案し、議論を進めていきます。もちろん、国によってバックグラウンドや国益は異なります。

そのため、実際の国連会議でみられるようなスピーチや質疑応答、他国の大使との交渉を通して、「国益を損ねることなく国際益を生み出すにはどうすればいいか」を考え、妥協点を探ります。

その過程を経て、最終的にDR(Draft Resolution)と呼ばれる決議案を作成・提出し、投票に移ります。

投票が終わると閉会宣言をもって会議は終了します。模擬国連はディベートとは異なり、活動そのものに勝ち負けはありません。

しかし、そんな模擬国連に競技性を含ませた会議が模擬国連大会です。

全日本高校模擬国連大会への出場

日本最高峰の大会に80組の高校生が集結

私はペアと共に2024年に開かれた「第18回全日本高校模擬国連大会」に出場しました。

全日本高校模擬国連大会は、グローバル・クラスルーム委員会が主催する日本最高峰と呼ばれる高校模擬国連の全国大会です。

ほっち さん

毎年11月に開催され、予選を突破した全国の約80組・160人の高校生が、2日間にわたって国際問題を議論します

使用言語は英語と日本語。最優秀賞または優秀賞をとったチームは、なんと5月に開かれる模擬国連の世界大会の出場権を獲得できます。

日本の高等学校に在籍している高校1年または2年生が応募できます。

参加費が必要で、1組あたり予選会で3000円、本大会で7000円です。インターネットが使える通信環境やパソコン、タブレットなどのデジタル機器があると取り組みやすいです。

本大会のスケジュール

以下に、この全国大会に参加するまでの大まかなスケジュールを紹介します。

① 7月上旬 募集開始

グローバル・クラスルーム委員会のホームページに開催要項と応募フォームが公開されます。学校から応募し、1校につき2チームまで応募ができます。

ほっち さん

本大会の参加には教員の引率が必要なため、予め学校の先生に相談するのがいいと思います

② 8月上旬 予選会の担当国や資料の公開

予選会で担当する国やBackground Guide(議題や論点についてまとめられた資料)などが公開されます。

予選会までに担当国や議題についてリサーチ等の準備を行い、配布された事前課題に取り組みます。2024年の予選会の議題は「安全保障理事会改革」でした。

③  9月中旬 予選会(オンライン開催)

設けられた3~4の候補日の中からいずれか1日で行います。

④ 10月上旬 予選通過ペア発表と事前課題の公開

通過の倍率は年によって変動しますが、2024年大会では約3倍でした。

⑤ 11月17日・18日 本大会(国際連合大学にて対面開催)

当日は、全国津々浦々からやってきた84組の高校生が東京に集いました。

2つの議場に分かれて議論が進められます。会場は、国連の研究機関のひとつである国連大学です。

国連大学は、日本に本部を置く唯一の国連機関として、日本における国連の拠点的な役割を担っている

普段は国際会議が開かれている場所で模擬国連をすることが、本当に嬉しかったです。2日間開催なので首都圏外から参加する場合、宿泊場所の確保が必要です。

本大会での議論(スイス大使として)

本大会は「若者と軍縮、不拡散と平和(Youth for Disarmament, Non-Proliferation and Peace)」がテーマで、私たちはスイス大使として参加しました。

1日目の空気と混乱

念願の本大会は、始まる前から他の高校生の覇気や意気込みを肌で感じるような熱気に包まれた雰囲気でした。

交渉の時間が設けられた途端に皆勢いよく立ち上がり、「先進国のみなさんはこちらに集まってください!」「中小国の外交グループはこちらに来てください!」といった掛け声が一気に上がってきました。

ある程度経済状況が似ているグループに分かれたあと、各々の政策や意見が勢いよく飛び交いました。これまでオンラインで参加してきたためか、この勢いと熱に圧倒され、萎縮していた部分もありました。

しかし、置いていかれまいと自国の政策を他国の大使に発信しつつ、各グループがどんな状況かを把握して自分のグループ内に伝える役割を担いました。

だんだん議論を進めていくにつれて、グループ内での意見の対立が出てくるようになりました。

時間が迫っていたこともあり、大使が互いの主張に耳を傾けることなく、自国の主張をぶつけるだけの状態になっており、スイスの主張も聞き入れられることが難しくなってしまいました。

この時、私はこれでは一向にまとまらないと思い、どうにかしてこの状況を改善する必要があると考えていました。

ほっち さん

が、自分の考えに行動が追いつく間もなく議論は次から次へと進んでいってしまいました

行動に起こせなかったことにに悔しさを感じて1日目は終わりました。

2日目の挑戦と変化

このまま何もせずに帰ったら絶対に後悔すると思い、事前に準備した2日目に行う予定のフォーマルスピーチ(各国1回全体に向けて行うスピーチ)の内容を自国の政策から変更。

ほっち さん

「リスペクトをもって他国の主張に耳を傾け、共通目標である全ての国の若者による平和構築の達成を求める」と英語で主張しました

準備してきたものを捨てて挑むことは、私にとってコンフォートゾーンの外をさらに破ることで、マイクで自分の声が会場に響き渡った時はさらに緊張が高まりました。

このスピーチがどれだけ影響を与えたかは分かりませんが、その後スイスの国益を反映した政策も入れることができました。

最終的に、全てのグループが提出した決議案が可決されました。

対話から平和をつくる学び

2日間を通して感じたことは、相手の主張に耳を傾けることが結果的に自分の主張を聞いてくれることに繋がるということです。

私は、1日目は自国の主張を積極的に行っていましたが、2日目は相手の主張に耳を傾けることを意識的に行いました。

そうすることで、相手の主張がより分かることはもちろん、自国が今全体でどんな位置にいるのかを俯瞰して知ることができるようになりました。その理解の上で相手と話をすることでより相手の立場が分かるようになり、妥協点が見えてきます。

国を代表するのは人であり、人と人との対話によって解決策が見出されます。

ほっち さん

だから、どれだけ国の立場が異なっていても、立場が異なっていても相手にリスペクトをもって接し、共通点を探ることで目標を達成できることを身をもって実感しました

模擬国連がくれた未来へのロードマップ

約1年半模擬国連に取り組み、様々な視点から国際課題について考えることで、自分の中により多くの「なぜ?」という問いが生まれるようになりました。

例えば、全国大会のあと、意外にも若者向けの平和構築プログラムが数多くあることに気づき、日本の若者は充分参画できているのかに興味をもつようになりました。

最終的に、「共感からはじめる平和構築」をテーマに日本の若者が平和構築に参画するためにはどうすればいいかを学校の探究活動で研究しました。そして、ぼんやりとしていた将来の夢が、はっきりと明確なものへと変わりました。

平和構築に関連して、将来は国際機関で、災害における人道支援と復興に携わる仕事がしたいと考えています。

また、常に挑戦し続ける姿勢を身につけることができ、新しいことにチャレンジする機会を増やすことができました。

これまでの自分はできそうなことしか挑戦しない、まさに井の中の蛙でした。しかし、この挑戦が自分の自信に繋がり、アメリカへ留学するなど色々なことに挑めるようになりました。

将来の夢と、進学先の選択

これまでの経験を通して、私は国際機関で災害時の人道支援や復興に携わりたいという明確な将来の夢を持つようになりました。

特に災害の被害が大きいアジア地域での支援に関わりたいと感じました。その思いから、アジア出身の留学生が多く、英語で国際関係を学べる環境として立命館アジア太平洋大学を志望しました。

12月に年内入試で合格をいただき、来年の春から国際関係を専攻する予定です。また、模擬国連を通して英語力が向上し、英語資格基準も満たせたため、英語基準での入学が決まりました。

大学では、授業をすべて英語で受講し、多国籍な環境で将来の目標に近づけるよう学びを深めていきたいと考えています。 

これから挑戦するあなたへ

日本模擬国連大会ではハイレベルな高校生たちに圧倒され、自信を失くしたり、難しい課題に挑戦する場面に遭遇するかもしれません。しかし、全く恐れる必要はありません。

自分のやりたいことができる環境になかったとしても、難しい問題に直面しても、決して諦めることなく「やりたい!」という熱意を糧にして挑戦し続ければ、きっとどんなこともなんとかなります。

ほっち さん

だから、その一歩を踏み出して、大会にぜひ挑戦してもらえると幸いです

模擬国連が描いてくれた私のロードマップをさらに広げて、将来の夢に向かって挑戦し続けます。

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