グローバル進路図鑑 #01 | “英語で学ぶ”上智大学SPSFという選択肢

この連載では、国内で“世界とつながる”学びの場を紹介していきます。
「海外進学も気になるけど、日本の大学も検討したい」そんな中高生・保護者にとって注目したいのが、上智大学の英語学位プログラム「SPSF(Sophia Program for Sustainable Futures)」。

このプログラムは、学際性と専門性を両立しながら“英語で学ぶ”という、国内ではまだ希少な選択肢のひとつです
上智大学 SPSF とは?
SPSFは「持続可能な未来」をテーマに、6つの学科から構成される英語による学位コース。文部科学省の「スーパーグローバル大学創成支援事業」にも選定され、多様なバックグラウンドを持つ学生が集う環境が整っています。


上智大学SPSF概要
基本情報 | 内容 |
---|---|
開設年 | 2020年 |
所在地 | 東京都千代田区(四ツ谷キャンパス) |
学期制 | 秋入学(9月)セメスター・クォーター併用制 |
学費 | 年間161万4650円(2025年度、入学金含む) |
寮の有無 | あり(祖師谷・信濃町・江東区枝川など) |
定員目安 | 150名以上(外国籍比率36%) |
専門性をもって“英語で学ぶ”6学科
SPSFでは出願時に以下の学科から選択し、卒業時にはそれぞれの分野での学位を取得します。
- 新聞学科:B.A. in Journalism
- 教育学科:B.A. in Education
- 社会学科:B.A. in Sociology
- 経済学科:B.A. in Economics
- 経営学科:B.A. in Management
- 総合グローバル学科:
┗ B.A. in International Relations または B.A. in Area Studies



他のグローバル学部と違い、出願時点で明確に学問分野を選べることがSPSFの特徴。それでいて学科横断の学びや日本語科目の履修も可能(最大24単位まで算入OK)!
国際教養学部よりも専門性のある学位
従来から国際性に定評がある上智大学において、SPSFは「国際教養学部」、「理工学部英語コース」に続く3番目の英語学位コースとして注目されています。
文系科目中心の学際的な英語プログラムという観点から、国際教養学部との差別化も気になるかもしれません。
SPSFでは出願時点で所属する学科(新聞学科、教育学科、社会学科、経済学科、経営学科、総合グローバル学科)を選び、卒業に際しては7つの専門分野に応じた異なる学位を取得。
いっぽう、リベラルアーツ・カリキュラムに準じる国際教養学部は、2年生以降に3つの専門分野へわかれるものの、いずれの専攻に進んでも卒業時には「国際教養」の学位が授与されます。



なお、SPSF生の国籍比率は、2023年時点で日本人64パーセントに対して外国籍が36パーセント。日本人以外では、韓国(12名)、米国(11名)、中国(8名)の出身者が多数を占めています


4年間の学びのフロー
- 1年生…持続可能な未来社会を考察するうえで基礎となる方法論や理論の学習
- 2~3年生…各学科の専門分野を学びながら、アカデミックな視点で課題解決に向き合う
- 3~4年生…グループワーク型の演習に取り組み、より実践的なスキルを向上
授業は基本すべて英語で行われ、日本語力は不要。多国籍の学生とのディスカッションが日常となる環境で、実践的な英語力とロジカル思考が同時に鍛えられるカリキュラムが特徴です。


入試情報(2025年度)
出願要件について
出願要件として、高校の成績や各提出試験のスコアの最低ラインは設定されていません。
志願者は以下のいずれかの公式試験結果や国際資格を提出するよう求められます(SATとACTは2年以内の受験結果)。
- SAT(Reading&Writing, Math)
- ACT with Writing Scores
- IBDP(6教科のフルディプロマ, Predicted Gradeも可)
- GCE A-Level(3科目以上)
英語能力証明としては、TOEFLまたはIELTSスコアを提出する必要があります。
内容 | 詳細 |
---|---|
出願資格 | 高校課程を12年以上修了(見込み含む) |
必要スコア | TOEFL または IELTS の提出が必須 |
提出可能な学力試験 | SAT、ACT、IBDP、GCE A-Level(いずれか) |
募集時期 | 1期:12月締切、2期:翌年4月締切(年度により変動) |
書類 | 出願フォーム、エッセイ(500語程度)、成績証明書、スコア、推薦状など |
合格率(2024年度) | 約50%(414名出願、206名合格) |
出願料 | 35,000円 |
SPSFが“海外進学ラボ”視点でアツい理由
- 英語で学べるけど、日本の地に根ざしている
- 少人数&対話重視の授業で思考力・発信力が育つ
- 海外大と同レベルの環境を、保護者も安心できる距離感で体験できる



つまり、SPSFは「英語で学ぶ力×日本での安心感」を両立させた、まさに“日本発グローバル進路”の先端です