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Q.日本と海外の高校、海外大進学に有利なのは…?
私はさまざまな人種や文化を理解しながら、友だちを作り、ともに学びたいと思い、将来海外進学を考えています。
高校から海外のボーディングスクールへ行き大学進学する道と、日本の高校から海外の大学へ進学するのでは、経済的に大きく違うのはわかります。
大学進学のしやすさ(テスト、選択の幅、合格率など)の面ではどういう違いがあるのでしょうか?
(徳島県・高校1年生)
A.3つの観点から有利・不利を考えてみよう
アメリカの大学に進学する場合、大きくわけて3つの違いがあります。
まず、テストに関してですが、アメリカの大学に日本の高校(授業で英語を使用しない学校)から進学する場合、英語力を試す「TOEFL」もしくは「IELT」のスコアが必要になります。
大学にもよりますが、TOEFL iBTでは80点は確実に必要になってくるため、準備にはある程度時間がかかると思います。
その点ボーディングスクールに進学した場合は、英語での授業を受けて卒業するのでスコアの提出は必要でない場合が多いです。
つぎに、大学適性試験「SAT」(日本での共通テストのような学力テスト)に関してですが、日本の高校では自分で準備をし、日本の大学受験とは異なるスケジュールで動かなければならないので、情報収集や対策においては不利になることも考えられます。
そして、テスト以外に合格に関係してくるのは「エッセイ」になります。
アメリカの大学では、エッセイでバックグランド含めた受験者のストーリーをいかに描けるか、が重要になってきます。
エッセイの内容は、日本の高校からでも、ボーディングスクールからでも、合格への可能性に差が出るわけではありませんが、文法や構成面においては、日本の高校で十分なサポートを受けるのは難しい場合もあります(日本でもエッセイ添削や対策を行ってくれる塾も存在します)。
私は高校の英語の先生に添削してもらいながら、何度も書き直して提出しました。
私は東京の公立高に通っていましたが、将来についてより深く考えることができたと思っています。
日本でのカリキュラムに沿って勉強してきたことで、むしろどの教科で何を学ぶのか、また大学ではどのような専攻があるのかなど、時間をかけて検討することができました。
ボーディングスクールに通った友人のなかには、海外での生活や授業スタイルに慣れたり、試験対策をするのに必死でなかなか進路について考える時間がなかった、という人もいます。
もちろん人それぞれですので、何が正しいのかもそれぞれかと思いますが、選択の幅を広げるためにボーディングスクールに通う必要性はそれほど高くないのではないかと感じています。
「受験のしやすさ」という点では、ボーディングスクールのほうが優位な点もありますが、重要になってくるのは、エッセイで自分の「ストーリー」をどう語るか、です。
日本の高校から出願する場合は、「なぜアメリカで学びたいのか」を具体的な経験やきっかけなどについて語ることが重要になります。
ボーディングスクールの場合でも、「なぜボーディングスクールに通い、なにを大学で学びたいか」が大切になります。
最後に、日本の高校から進学した学生の多くは「APプログラム」という、大学の初級レベルのカリキュラムと試験を提供する、高校における早期履修プログラムが受けられないため、大学に入ってから「イントロダクション」クラスを選択しなくてはならず、スケジュールが忙しくなることがあります。
海外生活に慣れるのも大変なので、私自身最初の数ヵ月は大変でしたが、この時期に日本人としてのアイデンティティを紹介することで、そこから友人の輪が広がる経験もしました。
じつは、日本の高校には、アメリカの高校では学べないことを学んでいるアドバンテージもあるんです
ダイバーシティが好まれるアメリカでは、日本で受けた教育や経験が生きてくることも多々あります。
私は、日本の高校に通ったおかげで、「なぜ自分が日本の大学でなく、アメリカの大学に進学したいのか」をより深く考えることができたと思っていますよ!
(アメリカ・大学1年生)
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