JAOS(海外留学協議会)2024年統計によると、マレーシアは海外大学進学先第3位(全体の15%)を占め、アジア諸国では最多の日本人学生が実際に進学している国とのこと。
2025年の世界大学ランキングでも歴史的快挙を達成したマレーシアの大学は、もはや「格安留学先」ではなく、「アジアの教育先進国」として世界から注目されています。
進学先を検討する際に参考になる世界大学ランキング(THE・QS・日本版TOP50)の比較は、こちらの記事でチェックできます。
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日本人学生の場合、おもに①マレーシアの私立大学、②海外大学の分校、③マレーシアの国立大学の3つの選択肢があります。この記事では、なぜいまマレーシアの大学に注目すべきなのかを解説し、具体的な大学を紹介していきます。
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各国の入学要件、学費比較、ビザ情報、奨学金制度を網羅的に解説しています。
マレーシア大学進学が選ばれる7つの理由
- 圧倒的なコストパフォーマンス:欧米の2/3-1/2の学費で世界水準の教育
- 充実した日本人サポート体制:最多の日本人学生実績に基づく安心環境
- 英語+多言語環境:マレー語・中国語も学べるマルチリンガル教育
- ASEAN経済圏への就職優位性:東南アジアビジネスハブとしての立地
- 生活環境の良さ:治安の良さと月7-10万円の手頃な生活費
- 世界ランキング急上昇による学歴価値向上
- 日本の人口減少社会を見据えた戦略的選択
サバ大学で学ぶE.Y.さん
マレーシア・ボルネオ島にある国立サバ大学に進学したE.Y.さん。英検準2級レベルからIELTS5.5を取得し、現地大学進学を実現しました。IELTSは“ゴール”ではなく“通過点”。海外大学の授業にも自分の言葉でついていける英語力を身につけ、2024年には大学を卒業。現在は大阪万博マレーシア館勤務を経て、日本のマレーシア関連企業で活躍しています。
マレーシア私立大学:実践的教育と就職実績
マレーシアには学位授与権がない機関を含めると388の私立大学(2023年高等教育省統計)があり、多くが留学生受け入れを積極的に行っています。2000年代の教育自由化以降、産業界との密接な連携により実践的教育を重視し、就職率95%以上を誇る大学も多数あります。
※学位授与権のある私立大学:私立大学47校、海外大の分校10校、大学カレッジ17校
テイラーズ大学(Taylor’s University)- 日本人にも人気の私立総合大学
世界大学ランキング快挙
- QS世界253位
- 東南アジア私立大学5年連続1位を維持
- ホスピタリティ・レジャーマネジメント: 世界20位、東南アジア1位
- マーケティング: 世界51〜100位以内、マレーシア1位
基本情報
- 学生構成: 総数4000名
- 日本人学生数: 私立大学で最多、確立されたサポート体制
- 学費(留学生・年額): US$8,500-12,000(約124万円-175万円)
- ファンデーションコース(留学生・年額): 約US$10,243(約150万円)
世界ランキング専門分野別
- ホスピタリティ・レジャーマネジメント: 世界19位、東南アジア1位
- マーケティング: 世界50位以内、マレーシア1位
- アート&デザイン: 世界100位以内
- ビジネス&マネジメント: 世界上位校評価
特徴・強み
- 業界との強力なパートナーシップ(インターンシップ100%実施)
- 卒業6ヶ月以内就職率95%以上
- 最新設備と実践的カリキュラム
- 日本人学生への手厚いサポート(専任カウンセラー常駐)
サンウェイ大学(Sunway University)- 総合力No.2の実力校
2025年ランキング躍進
- QS世界410位
- グローバルトップ500初進出
- THE Impact Rankings: トップ100初進出で持続可能性評価急上昇
基本情報
- 学生数: 約5,000名
- 学費(留学生・年額): RM25,000-45,000(約87万円-157万円)
注目急上昇の3大学
Universiti Teknologi PETRONAS(UTP)
- THE アジア43位: マレーシア初のアジアトップ50
- QS世界251位
- 私立大学マレーシア1位の地位確立
UCSI大学(UCSI University)
- QS世界269位
- 音楽・芸術分野でアジア屈指の実績
Universiti Utara Malaysia(UUM)
- QS世界491位 – 3年ぶりのグローバルトップ500入り
- QSアジア79位
海外大学マレーシア分校:本校同等の学位を格安で
マレーシアには12の海外大学分校が設置されており、すべてが留学生受け入れに積極的です。1990年代後半から政府主導で誘致を開始し、オーストラリア、イギリス、アイルランド、中国の名門大学が進出しています。
モナシュ大学マレーシア校(オーストラリア本校)
学費(留学生・年額)
- 文系学部: RM50,000-55,000(約175万円-192万円)
- 理工系学部: RM55,000-65,000(約192万円-227万円)
- 医学部: RM70,000-130,000(約245万円-455万円)
特徴
- 本校との単位互換可能(2年マレーシア+2年オーストラリアも選択可)
- 研究型大学としての高い学術水準
- オーストラリア・欧米企業への就職に有利

モナッシュ大学で学ぶ小島さん
モナッシュ大学マレーシア校で発展コンピューターサイエンスを学ぶ小島さん。学費を抑えつつ、オーストラリア本校やフィンランドへの交換留学など、世界を舞台に挑戦できる制度が大きな魅力です。多国籍の仲間とチームプロジェクトに取り組む日々は刺激的で、夢を追い続けるバイタリティの源にもなっています。
ノッティンガム大学マレーシア校(イギリス本校)
基本情報
- 世界ランキング: 97位(本校)
- 学生数: 約5,500名(70ヵ国から)
- 学位: イギリス本校と完全同一
学費(留学生・年額)
- 文系学部: RM52,000(約182万円)
- 理工系学部: RM57,000-67,000(約199万円-234万円)
- ビジネス学部: RM55,000-57,000(約192万円-199万円)
特徴
- イギリス式教育システム
- 本校との交換留学制度
- ヨーロッパ系企業への就職に強み
筑波大学マレーシア校(2024年開校)
基本情報
- 開校: 2024年9月、日本初のマレーシア分校
- 学生数: 日本人学生6名(開校初年度)
- 学位: 筑波大学本校と同一学位
学費
- 年額(留学生):RM40,280(約140万円)
特徴
- 日本式教育をマレーシアで実現
- 英語+日本語のバイリンガル教育
- 今後の発展が期待される新設校

NTI国際大学で学ぶ松本さん
鹿児島県立出水高校からマレーシア・INTI国際大学へ進学した松本悠太郎さん。学費を抑えつつ、「学び」にこだわる選択をしました。ツインプログラム(オーストラリアのSwinburne University of Technology提携)でコンピューターサイエンスを専攻、多国籍の仲間とともに世界水準の授業に挑戦しています。
国立大学という選択肢もある
マレーシアの大学といえば私立や海外大学分校のイメージが強いですが、じつは国立大学にも英語で学べる学部や留学生受け入れ枠が整っています。学費は私立の約半分以下で、自然豊かなキャンパスや研究設備の充実度も高いのが特徴です。
とくにサバ大学(University Malaysia Sabah)は、ボルネオ島に位置する国立総合大学で、英語による授業と多国籍な学生環境が魅力です。
英検準2級レベルからIELTS5.5を取得し、国立サバ大学への進学を実現したE.Y.さん。IELTSは“ゴール”ではなく“通過点”。海外大学の授業にもついていかれる英語力を身につけ、2024年に大学を卒業。現在は大阪万博マレーシア館勤務を経て、日本のマレーシア関連企業で活躍しています。
【2025年最新】マレーシア主要大学比較表
| 大学名 | 分類 | QSランク | 年間学費(万円) | 日本人学生 | 強み分野 | 2025年注目点 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| UTP | 私立 | 251位 | 86-210 | 増加中 | 工学・エネルギー | アジア43位の歴史的快挙 |
| テイラーズ大学 | 私立 | 253位 | 124-175 | 多 | ホスピタリティ・実務 | 東南アジア私立1位維持 |
| サンウェイ大学 | 私立 | 410位 | 87-175 | 多 | ビジネス・総合 | トップ500初進出 |
| UCSI大学 | 私立 | 269位 | 70-116 | 中程度 | 音楽・芸術 | 私立上位校として確立 |
| UUM | 国立 | 491位 | 41-49 | 増加中 | ビジネス・IT | トップ500初進出 |
| モナシュ大学分校 | 分校 | 36位(本校順位) | 175-245 | 中程度 | 研究・医学 | 本校同等の威信 |
| ノッティンガム大学分校 | 分校 | 97位(本校順位) | 182-234 | 少数 | 工学・ビジネス | 英国式教育の価値 |
マレーシア大学進学:成功するための選択戦略
大学選択パターン別戦略
【実務志向】私立テイラーズ大学
- 目標: 就職に直結する実践的スキル習得
- 必要英語力: IELTS 5.0〜5.5以上、TOEFL 46点以上
- 特徴: 日本人サポート充実、インターンシップ100%
- 合格率: 80%以上(入学しやすい)
- 2025年: 世界19位のホスピタリティで業界就職に最強
【研究志向】モナシュ大学分校
- 目標: 世界レベルの研究環境でアカデミックキャリア
- 必要英語力: IELTS 6.5以上、TOEFL 79点以上(医学系:IELTS7.0以上、TOEFL94点以上)
- 特徴: 本校との単位互換、研究設備充実
- 合格率: 50-60%(選考やや厳格)
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- TOEFLのスコアアップのコツは 👉TOEFL iBT攻略法
費用シミュレーション(3〜4年間総額)
私立大学(テイラーズ大学)
- 学費: 約412万円-751万円
- 生活費: 約350万円
- 総額: 約748万円-1,087万円
- 世界19位のホスピタリティの専門性で確実就職
海外分校(モナシュ大学)
- 学費: 約524万円-995万円
- 生活費: 約350万円
- 総額: 約860万円-1,331万円
- 世界36位の学位を本校の半額で
出願準備チェックリスト
必須書類
- 高校卒業証明書(英文)
- 高校成績証明書(英文、GPA3.0以上推奨)
- 英語能力証明(IELTS/TOEFL)
- パスポートコピー
- 志望理由書(英文)
- 推薦状(英文、2通)
出願スケジュール
- 9月入学: 前年12月-3月出願
- 1月入学: 前年8月-10月出願
- 5月入学: 前年12月-2月出願
まとめ:マレーシア大学進学で人生を変える
2025年は「マレーシア大学ランキング革命元年」として歴史に刻まれるでしょう。
世界大学ランキングで初のアジアトップ50進出を果たしたマレーシアの大学は、もはや単なる留学先ではなく、「未来への戦略的投資先」として位置づけられるでしょう。



