国際バカロレアのこと、じつはあまりよくわかってないのよね…😅
国際バカロレアについて、5回にわけてわかりやすく紹介していきますね
Globaledu進路ナビチーム
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国際バカロレア | 高度で多岐にわたるIBの学習内容
今回は、海外でIBを選択している子どもたちについて書きたいと思いますが、その前に、私が暮らすオーストラリアで「国際バカロレア」がどのように認識されているかについてお伝えしておきましょう。
日本では、英語教育の必要性からIBを選択肢として考えるケースもあるかと思いますが、こちらでは英語が母語となるため、言語習得のためにIBを選択する認識はありません。
親や子が求める教育目的にIBが合致している、あるいは海外の大学への入学を希望しているという理由がほとんどでしょう。
ただ、このIBプログラムは、日本のように塾などでの学校以外の学習に慣れていない子どもたちにとっては、負担の大きなプログラムという考えもあるようです。
多少教育熱心な保護者も「何もそこまで頑張らなくても…」と考え、通常の授業を子どもに勧めることも少なくありません。
いっぽうで、絶対にIBを受けるべきだと片道2時間かけて通学させたり、自宅の近くにIB認定校がないことを理由に引っ越す家庭もあります。
しかし、IBの学習内容が高度で多岐、多量であることから、子どもたちにかかる精神的、肉体的な負担も大きく、その負担に耐えられずに悩みを抱えたり、途中でドロップアウトしてしまうことも決してめずらしくありません。
IBの最終プログラム「DP」での学習を生徒が希望したとしても、それ以前の成績が十分でない場合は、教員と面談をするなど学校側も慎重に対応しているようです。
国際バカロレア | 主体性と意欲の高さは必須
では、IBを学習するのはどのような子どもたちなのでしょうか。
私がこれまで見てきたIB選択者で、膨大な課題と向き合いながらも前向きに学習を進めていった子どもたちの特徴をまとめてみました。
①学習意欲が高い
「勉強が大好き」ということではなく、知識を身につけることに積極的な子どもがとても多いようです。
②チャレンジ精神が豊富
たとえ難しそうな新しい課題でも、物おじせずにやりはじめることができる子どもは、IBにおいても少ないストレスで学習を進めることができるようです。
③自己肯定感が強い
自分の能力を信じ、自信をもっている子どもが多く、保護者も子どものいい所をきちんと認め、それを子どもに伝えている場合が多いようです。
④将来の進路が海外へと向いている
目標がないことは挫折へつながります。海外への進路がはっきりしている子どものほうが、明らかに前進するにあたっての勢いがあります。
⑤主体性がある
「やらされている」、「やらなければならない」というようなネガティブな気持ちでIBの学習を行う子どもは、早い段階でつまずいたり、十分な自己育成ができず、結果IBで苦労したわりに得るものが少なかったということになりがちです。
⑥勉強以外の活動にも積極的に関わろうとする
膨大な学習をこなしている彼らですが、意外なことにいわゆる「ガリ勉」をしている子は少ないようです。
確かに、時間的には拘束されることが多いのですが、クラブ活動や課外のコンテストに出場したり、ボランティア活動に力を注ぐなど、勉強以外の活動を行っている子どもが目立ちます。
自分の生活を楽しみながら、メリハリをつけて心のバランスを上手にとっているようです。
⑦親といい距離感を保っている
先述のように、「IBの求める学習者像」は学習者がその活動を通して自らを育成していかなければ得られない人間像となっています。
ですから、「宿題はすんだの?」「ゲームはやめて早く勉強しなさい!」などと親が口をはさむような状況や、宿題や課題にアドバイスを超えた批評や手直しなどを行うような状況では、この「学習者像」を育むことはできません。
親は子どもの考えや行動を尊重し、一定の距離を保つ。そのような親子関係がある家庭の子どもたちが、より早くIBの課題をこなすための能力を身につけ、この学習者像を確立できるようです。
これらの資質は、IBを学習しながら身につける場合もありますし、家庭での教育で培われるものもありますが、子どもたちが前向きに学習を進めるうえでとても重要な要素であることは間違いないでしょう。
IBを検討している家庭は、日々の生活において上記のようなポイントを意識しながら子どもと接していくといいのではないでしょうか。
次回は、海外在住の日本人の子どもたちが「国際バカロレア」を選択できる状況にありながらも「選択しない」理由について考えていきます。