国際生物学オリンピック | 世界各国が4名の選手を送り出す国際大会
「国際生物学オリンピック(International Biology Olympiad、IBO)は、世界の高校生をおもな対象とする生物学に関する知識を競い合う国際大会。
国際大会(IBO)選手を選考する国内大会(JBO)
「日本生物学オリンピック」は、「国際生物学オリンピック」(IBO)に派遣する日本代表選考を兼ねている、大学入学前の全国の青少年を対象とした生物学に関するコンテスト。
国内大会を主催しているのは「国際生物学オリンピック日本委員会」(Japan Biology Olympiad Committee、JBO)。
JBOは、IBOの趣旨に賛同し、IBOに出場する日本代表の選出や同大会への派遣を通じて、若者の生物学に対する知識や関心の向上、理解の増進などを目的に活動しています。
JBOのとりくみ
日本は、2005年の北京国際大会からIBOに参加していますが、2008年にはJBOの主催で、生物学の普及啓発と国際コンテストへの代表選考を担う大規模イベント「生物チャレンジ」を初開催。
2010年からは、今日の「日本生物学オリンピック」の呼称が採用され、コロナ禍で中止の2020年度(代替試験を実施)を除いて毎年開かれてきました。
- 「国際生物学オリンピック」(IBO)代表選手4名を選抜
- 予選はCBTで3000名ほどが参加
- 上位2%が9月の本選で2日間に渡り挑戦
日本生物学オリンピック2023概要
応募期間 | 2023年5月1日(月)〜31日(水) |
対象 | 大学相当の教育機関に入学前の20才未満の人(日本代表候補の選抜は高校2年生以下が対象) |
選考プロセス | 予選/全国会場にてマークシート試験(90分間)、本選/4日間の合宿形式で理論試験と実験試験、日本代表選抜/理論試験・プレゼン資料を見て答える論述試験など |
参加 | 無料(本選会場利用時の宿泊費や食費も支給・往復交通費は自己負担) |
国際生物学オリンピック | JBOでの出題範囲
コンテストで出題される問題は、国際生物学オリンピックのガイドラインに準じた内容で構成されています。
理論問題での出題範囲
まず理論問題では、以下のような生物学分野が出題範囲。
- 細胞生物学
- 植物解剖学と生理学
- 動物解剖学と生理学
- 行動学
- 遺伝学および進化
- 生態学
- 生物系統学
日本生物学オリンピックの二次選考では、実験問題も重点的に問われます。
こうした問題でいい成果を上げるには、実験に係る以下の基礎技能を備えていることが重要です。
実験に必要となる基礎スキル
- 科学的処理能力
- 生物学的基礎技術
- 生物学的方法
- 物理的および化学的方法
- 微生物学的方法
- 統計学的方法
上記のような実験技術は、主催者推薦図書のひとつである「生物学オリンピック問題集・実験編」などを活用して学習することができます。
また、JBOのウェブサイトでは、過去10年を超える国内コンテストの過去問と解答・解説がダウンロード可能です。
国際生物学オリンピック | 大会までのスケジュール
日本生物学オリンピックは、7月中旬の予選、8月もしくは9月ごろの本選、翌年3月中旬の日本代表選抜試験という流れが基本スケジュール。
JBO2023大会の日程
- 予選…7月16日(日)(80名を選抜)
- 本選@静岡大学…8月17日(木)〜20日(日)の3泊4日(15名を選抜)
- 日本代表選抜試験@科学技術館…2024年3月17日(日)(代表4名、次点者2名を選抜)
- 国際生物学オリンピック@カザフスタン…7月
予選は、7月16日(日)全国の特設会場での試験(マークシート)による理論試験(90分)を実施。
2022年度はコロナ禍により自宅からのCBT試験となりましたが、2021年度はじつに3000名以上の青少年が予選に参加し、生物学の実力を競いました。
2023年の本選は、静岡大学に受験者が集い、8月17日(木)〜20日(日)の3泊4日で実験試験と理論試験が行われます。
参加できるのは、予選で上位の成績を収めた80名(上位約2パーセント)。
本選では、単にPDFの試験問題を見て解答するだけでなく、動画資料を視聴しながら解答を進める出題形式も採用。
本選の成績上位者には、金賞・銀賞・銅賞といった各賞が授与され、2024年3月17日(日)に「科学技術館」(東京・千代田区)で実施する代表選抜試験に挑む約15名も決定。
代表選抜では、最終的に日本代表4名と次点者2名を選出。こうして、2024年7月にカザフスタンで行われる国際生物学オリンピックの代表資格を獲得します。
国際生物学オリンピック | 参加資格と参加費
JBOの参加資格
日本生物学オリンピックの予選・本選の参加資格は、20才未満で大学などの高等教育機関に入学前の青少年(国籍不問)が対象となります。
上述のように、本選後日本代表の選抜試験に進めるのは、高校2年生以下の生徒に限られています。
参加費について
大会の参加費は無料で、4日間の本選参加で発生する宿泊費や食費についても主催者側の負担。自宅から本選会場までの往復交通費のみ自己負担となります。
主催:国際生物学オリンピック日本委員会 |
代表理事:浅島 誠 |
住所:東京都千代田区北の丸公園2-1 科学技術館内 |
プログラム開始:2008年 |
実施スケジュール:予選/7月中旬、本選/8月(または9月)、代表選抜試験/翌年3月中旬 |
競技内容:全国の高校生以下が対象の生物学コンテストを通じて、成績上位者の表彰と日本代表候補選抜を実施 |