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中高生レポート⑯ | 全国高校生未来会議2018

このレポートは、「全国高校生未来会議2018」に参加したテイクアクション部メンバー5名が、持ち回りで書いた記事となります。記事を書いたメンバー:那須馨華(滋賀県・私立高校3年生)、ゆうり(広島県・私立高1年生)、今田恭太(静岡県・私立高校1年生)、大島綾乃(東京都・国立高校2年生)、西岡葉月(奈良県・私立高校2年生)

「全国高校生未来会議」ってなんだ?

「全国高校生未来会議」とは、その名のとおり全国の高校生が東京に集まり、政治やこれからの未来について議論するという2泊3日の実践型合宿イベントです。

このプログラムは「一般社団法人リビジョン」(東京都・渋谷区)という団体が主催しており、2016年にスタート。3回目となる2018年は、3月21日(水)~3月23日(金)に行われました。

2018年は2月に募集があり、全国から選考を経た100名の高校生が集まり、仲間たちや大人からインスピレーションを受けることで、より成長する機会になりました。

参加者は、政治に関心のある高校生はもちろん、まったく関心のない高校生もいましたが、このイベントは政治に興味関心のない人でもどんな人でも楽しいと思える最高のイベントです。

そして、最大の特徴は、国会議員と有職者、高校生が意見を交換し合えるという場であるということ。高校生たちは意見を交わしながら、日本の将来を担う当事者として学び、考えていきます!(記事執筆/那須 馨華)

刺激いっぱいのチェンジメーカーによる講演

初日は開会式と講演、アイスブレイクがありました。

講演は、まずは社会起業家・安部敏樹さんとルワンダで教育革命を起こした牧浦土雅(まきうらどが)さんによるパネルディスカッションがありました。世界で活躍しているふたりからの貴重な話は、現代社会に必要とされる力、私たちの抱える責任を教わり、社会への関心が高まりました。

とくに、「自分への期待値のレバーを下げない」という言葉が印象に残っています。常に挑戦し続けることに意味があるとだと思います。

続いて、マジシャンで、精神医学者でもある志村祥瑚(しむらしょうご)さんによる講演。人の「思い込み」や「苦痛」について研究しています。

人間は、無意識のうちに嫌な感情を避けようとしてしまいますが、それといい距離を保つことがじつは重要なのだそう。あるがままの状態の受け取り方がポイントであると思いました。私も、嫌な感情を避けていた経験は多くありますが、それが逆効果であることには気づかず、驚きました。

その後、全国各地から集まったメンバーと、Googleが主催する、ネットを安全に活用するための知識を学び・周知する「ウェブレンジャー」という動画作成コンテストに参加しました。

お題にそったシナリオ設定、カメラの角度などを試行錯誤し、完成させました。さまざまなアイデアを組み合わせ、全国からの高校生と議論し、さらにそれぞれの地域や学校について話しました。お互いの生活から政治的な内容まで話し合う機会が多くあり、視野が広がる時間となりました。(ゆうり)

模擬投票のあとは議員とのランチ

2日目は、「衆議院第一会館」でさまざまな党の代表や青年局長による演説がありました。日ごろあまり聞くことができない政治家の演説を聞くことで、政治がより身近になったように感じました。

演説が終わったあとは、高校生による「模擬投票」。

選挙権が18才に引き下げられたため、参加者の一部は実際に選挙権を持っていましたが、ほとんどの参加者にとって今回がはじめての経験となりました。シルバーの投票箱に紙を入れる瞬間はやっぱり緊張! 同時に、自分が選んだ人に投票する責任、一票の重みを実感しました。

演説後は、演説に参加してくださった議員を含め、多くの議員と昼食をともにしました。各々、普段は直接訊くことができないさまざまなことを質問し、議論していました。

僕は頭が真っ白になって「ボディーガードはいるんですか?」と、超どうでもいい質問をしてしまいましたが、優しく答えてくれました。多くのテーブルで議員との笑顔あふれる会話があり、テレビに映る怖い顔ではない一面を見ることができました。また、後に行われるプランコンテストに備えて、自分たちのプランに対し意見を求める参加者もいました。(今田恭太)

各地からの高校生と未来の政策を考える

プランコンテストでは、各都道府県の代表である参加者が5〜7人ほどでチームを組織し、「地域政党」として自分の地域が抱える問題の解決策「次の150年を創っていく政策プラン」を考え、発表します。

2018年は明治維新から150年という節目の年ですが、これまでの150年間で日本は大きな成長を遂げました。

私たちのチームは、つぎの150年間には私たちが想像もしないような社会が創られるということを念頭に置きながら、逆に150年後にも残る私たちの考えや文化は何だろう? とメンバーと熟議しました。

東京の観光について取り上げましたが、遠い未来について考えるのは難しく、何度もプランを組み直しました。徹夜で作成した班も多く、高校生の未来に向けた熱い思いが詰まっていたと思います。

翌日には班ごとにスライドを用いたプレゼンテーションがありました。

北は北海道、南は沖縄まで日本各地から集まっている参加者の、それぞれの地域が抱える問題は多種多様で、どの班もハイクオリティで個性豊かな政策を考えていました。

他の班から受けた刺激は大きく、さまざまなバックグラウンドを持った高校生が集まり話し合うよさはここにあるのだ、と強く感じました。(A.O)

政治が身近になった3日間

最終日には、プランコンテストのほかにも「被選挙権引き下げに関するシンポジウム」「国会議事堂見学」「懇親会」がありました。

「被選挙権引き下げに関するシンポジウム」では、自民党、公明党、立憲民主党、日本維新の会、希望の党、社民党の議員が、まずは党としての被選挙権引き下げに関する意見を述べました。党によって違うさまざまな意見、そして議員それぞれの思いや考えなども話しました。

そして、私たち高校生の意見を議員に聞いてもらう機会も多くありました。青と赤の画用紙を使って賛成・反対を示したり、なぜそう思ったのかなど発言する時間もあり、盛り上がりました。

普段、政治について調べたり考えたりする機会はあっても、同世代の意見を間近に見聞きする機会はなかったので、とても刺激を受けましたし、もっと自分も主体的に政治に参加する気持ちを持つことも大事だな、と感じました。また、こういう機会があることで私たち国民の意見が政治に反映されていくこともあるのかもしれないな、と実感することができました。

国会議事堂見学では、参議院を見学。ガイド付きのツアーのようなもので、ぐるっとひととおり見学。私は霞ヶ関にいくこと自体はじめてだったので、議事堂の正面を見ただけでも感動したのですが、「もう少し見学したい」衝動に駆られながら議事堂を後にしました。

閉会式のあとは、自由に歓談できる時間として「懇親会」が設けられました。私はそれまでの2日間プランコンテストや、その他のプログラムの関係で同じ大阪や関西出身の参加者としか話す機会がなかったので、最初はどうやって他府県からの参加者と接触を図ろうかと最初は少し悩みました(笑)。

交流だけでなく、「AIG高校生外交官プログラム」や「World Scholar’s Cup」などいろいろな校外プログラム経験者が壇上で紹介する時間もあり、とても有意義な時間を過ごせたと思います。1時間の懇親会のはずが、私が会場をあとにしたのはけっきょく1時間40分ほど経ってからでした…(笑)。 (西岡葉月)


<高校生未来会議まとめ>

  • 那須馨華…政治に関心がなかった私にとって、未来会議の3日間は常に新しいことを学んでいたと同時に、自分の無知さを改めて知ることができました。政治への考え方を変えることができ、多様な視野と考え方を持つ素晴らしい仲間たちに出会うことができたこの経験は一生の宝物です
  • ゆうり…未来会議を通して、政治について多く学んだだけでなく、全国の素晴らしい仲間と知り合うことができました。これまで地元で開催される活動には参加したことがありましたが、全国規模のものは初めてでした。一人一人が自分の意見を持っており、もっと話し合いたいと思いました。三日間を通して色々な方とお話しましたが、話し足りなかったです。私を成長させる、貴重な経験でした
  • 今田恭太…政治に苦手意識を感じていた僕にとって、実際に政策を立てるプランコンテストの経験はとても印象に残りました(それと同時に自分の無知さを感じました)。また、教室では出会うことのできない素晴らしい仲間と出会うことができ、とても充実した時間を過ごすことができました。この経験を活かしていきたいです
  • 大島綾乃…未来会議は全国から素晴らしい個性を持った高校生が集まっており、本当に貴重な経験をすることができました。これまで政治にあまり関心がなかった私にとって、議員さんと食事をしながら直接話しをしたこと、各党からの演説をもとに模擬投票をしたことは、とくに意識を変えた大きなイベントでした
  • 西岡葉月…初日のワークショップで「多様性」の定義に関するお話をきいて、あまり多様性という言葉を使いたくないのですが(詳しく書けなくてごめんなさい)、未来会議では本当に多様な高校生と出会うことができます。未来会議の大きな特徴は、47都道府県から高校生が集まることだと思っています。もちろん高校生で政治について考えた時間もかけがえのない時間でしたが、多様な高校生が集まる未来会議ではこれまで出会ったことのない人たちや、考えを知り、自分を大きく成長させてくれました

【第3回 全国高校生未来会議】

  • 主催:一般社団法人リビジョン
  • 日程:2018年3月21日(水)〜23日(金)2泊3日
  • 場所:「衆議院議員会館」(東京・千代田区) ※宿泊場所は「国立オリンピック記念青少年総合センター」
  • 対象:2018年3月時点で、中学3年生(新高1)から高校3年生またはそれに準じる年齢の人
  • 募集人数:100名
  • 参加費:2万円

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